2023年トルコ・シリア地震救援
被災地で捜索・救助活動を行うシリア赤新月社スタッフ©SARC
トルコ・シリア地震
2023年2月6日、トルコ南東部のシリアとの国境付近で発生したマグニチュード7.8の地震とその後も続いたマグニチュード7クラスの余震により、数十万の建物が損壊し、トルコ、シリア両国合わせて5万6,000人以上が犠牲となる甚大な被害を受けました。(3月20日時点)多くの人びとが家を失い、現在も避難生活を余儀なくされています。
氷点下にもなる厳しい寒さのもと、さらに、シリアでは長年にわたる紛争や経済制裁の影響により人道支援が困難をきわめる中、トルコとシリア両国の赤新月社(イスラム圏の赤十字社)は発災直後から被災地に駆付け、救援活動を開始。その活動を国際赤十字のネットワークでサポートし、総力を挙げて被災者への支援に取り組んでいます。
トルコ赤新月社・シリア赤新月社及び国際赤十字の対応
両赤新月社は、発災直後の救命活動から、食料や水、住居、保健医療、こころのケアの提供など、被災した方々のいのちと健康、尊厳を守るため幅広い支援を続けています。
トルコ赤新月社
避難所支援:テント・毛布の配付等。
食事の提供:キッチンカーが避難所を回り、温かい食事やレトルト食品を提供。
保健医療支援:巡回診療により農村部での医療を提供。
水と衛生:ペットボトルや衛生キット(おむつ等)の配付。
現金給付:キャッシュカードの活用により生活支援金を給付。
血液の供給:血液製剤の提供。献血推進キャンペーンの実施。
温かい食事をつくるトルコ赤新月社のスタッフ©TRCS
シリア赤新月社
救援物資の配付:食料、栄養補助剤、衛生用品、毛布、寝袋、マットレス等の配付。
救助活動:倒壊家屋からの救助・応急手当。病院への搬送。
保健医療支援:巡回診療。母子保健。医薬品提供。こころのケア支援。
水と衛生:ペットボトルや衛生キットの配付。浄水タンクの設置。
離散家族支援:離ればなれになった家族の再会支援(情報提供等)。
予防・啓発活動:ジェンダーに基づく暴力の予防啓発活動等。
負傷者に応急手当をするシリア赤新月社ボランティア ©SARC
国際赤十字・赤新月社連盟(連盟)と
赤十字国際委員会(ICRC)
緊急救援アピール(支援要請)を発出するなど、国際連携の調整を図っています。
【連盟】 緊急救援アピール トルコにおける活動のため: 4億5,000万スイスフラン(約650億円) シリアにおける活動のため: 2億スイスフラン(約290億円) |
シリアの被災者に配付する救援物資を輸送する連盟スタッフ©IFRC |
【ICRC】 予算拡大アピール トルコにおける活動のため: 260万スイスフラン(約3.7億円) シリアにおける活動のため: 2,900万スイスフラン(約42億円) |
アレッポの被災状況調査を行うICRCとシリア赤新月社職員©ICRC |
日本赤十字社の対応
▶海外救援金の募集 / 資金援助・物資支援
日本赤十字社は国際赤十字の大規模な資金援助要請に対して速やかに「2023年トルコ・シリア地震救援金」の募集を行い、これをもとに国際赤十字、被災国赤新月社への資金援助や物資支援を実施しました。
【 支援実績 】 総額 19億5,000万円 (2023年4月18日時点)
内容 (※黄色の塗りつぶしは物資の現物支援) | 金額 |
関連写真 |
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トルコ |
連盟アピールを通じた資金援助 | 7億1,000万円(うち3億円は食料支援へ使途指定) |
被災者に食事を提供するスタッフ©TRCS |
巡回診療支援 | 2億6,500万円 |
トルコ赤が実施する巡回診療サービスの支援©日本赤十字社 |
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救援物資支援 | 5,500万円 |
クアラルンプールの倉庫からトルコに運ばれる救援物資©IFRC |
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衛生(シャワー)車両支援 | 1億600万円 | ||
車両支援 | 9,100万円 |
アンカラのトルコ赤緊急対応センターへの車両納品に立ち会う日赤職員©日本赤十字社 |
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追加車両支援 | 1億円 | ||
シリア |
連盟アピールを通じた資金援助 | 3億1,000万円 |
被災したタルトゥース県の救護倉庫で夜通し救援物資の準備を進める©SARC |
ICRCアピールを通じた資金援助 | 1億円(そのうち3,000万円は物資支援へ使途指定) |
アレッポで水を配付するICRCとシリア赤職員©ICRC |
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パレスチナ赤新月社シリア支部への緊急資金援助 | 1,000万円 |
被災地に運ぶ物資を準備するパレスチナ赤ボランティア©PRCS |
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シリア赤巡回診療等保健医療支援 | 2億円 |
巡回診療で診察を受ける子ども©SARC |
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医薬品支援 | 300万円 |
日赤が調達した医薬品(@ドバイ)©IFRC |
▶日赤職員の派遣
2月26日 |
トルコへ医師・看護師・こころのケア要員からなる医療調査団を派遣 (現地の保健医療ニーズ及び日赤の支援拡大の可能性を調査) |
日赤医療調査団とカフラマンマラシュ村の現地の子ども©TRCS |
3月15日 |
シリアへ医療ロジスティクス要員として薬剤師を派遣 (複数の赤十字社からなる巡回診療緊急救援チームに薬剤師を派遣。 医薬品等1.3トンを提供) |
巡回診療車両内で現地看護師と医薬品準備を進める日赤薬剤師©日本赤十字社 |
4月20日 |
シリアへ国際赤十字保健医療コーディネーターとして看護師を派遣 (シリア赤の保健医療全般の活動を指揮・サポート) |
シリア(ダマスカス)へ出発する看護師@日赤本社©日本赤十字社 |
加えて、トルコ・シリア両国に連絡調整員を継続的に派遣し国際赤十字との連携を行っています。
【 動画 】トルコ・シリア地震救援 日赤職員より現地の活動報告@トルコ
日赤は引き続き変化する現地のニーズ合わせて救援活動を続けるとともに、将来の復興を見据えた中長期支援を計画・実施していきます。
【速報】 トルコ・シリア地震における赤十字の対応等について
【速報16】トルコ・シリア地震:日赤から国際赤十字保健医療コーディネーターを派遣、2億円の資金援助を実施(シリア)
【速報15】トルコ・シリア地震:日赤支援で巡回診療を強化。震災から2か月、被災地の今(トルコ)
【速報14】トルコ・シリア地震:日赤からシリアに薬剤師を派遣、医薬品を供給し被災地の医療に貢献
【速報13】トルコ・シリア地震:6億円の追加資金援助を決定、救援物資の支援を継続
【速報 12】トルコ・シリア地震:日本赤十字社の医療調査 チームがアセスメントを実施(トルコ)
【速報11】トルコ・シリア地震:日赤職員からの現地レポート(トルコ)
【速報10】トルコ・シリア地震:日赤支援によるシリア赤新月社の「巡回診療チーム」が活動中
【速報9】トルコ・シリア地震:トルコでの「こころのケア」活動
【速報7】トルコ・シリア地震:大災害に立ち向かう現地スタッフ、被災者の声
【速報6】トルコ・シリア地震:日赤から2億円の追加資金援助を決定
【速報5】トルコ・シリア地震:パレスチナ難民キャンプでの支援活動
【速報4】トルコ・シリア地震:発災直後から救援活動を開始するために
【速報3】トルコ・シリア地震:赤十字は被災地域での救援活動を拡大、国際社会に長期にわたる支援と連帯を呼びかけ
【速報】トルコ・シリア国境付近で大地震が発生、日赤から2,000万円を支援
トルコ・シリア地震赤十字救援活動オンライン報告会
被災国トルコとシリアに派遣され、調整業務にあたってきました日赤職員より現地の最新の状況と赤十字の支援活動をお伝えするため、2023年3月17日にオンライン報告会を開催いたしました。
トルコ・シリア地震救援金募集中
受付期間: 2023年2月9日(木)~2023年5月31日(水)
使途 : 国際赤十字・赤新月社連盟および赤十字国際委員会の緊急救援アピール等に対する資金援助、トルコ赤新月社並びにシリア赤新月社による救援・復興活動、日本赤十字社による救援・復興活動等に使われます。