フローレンス・ナイチンゲール記章

概  要

1907年にロンドン(英)で開催された第8回赤十字国際会議および1912年にワシントン(米)で開催された第9回赤十字国際会議の決議により、各国赤十字社からの寄付によって『フローレンス・ナイチンゲール基金』が設立され、看護の質向上に貢献したフローレンス・ナイチンゲールの生涯と活動において示された精神を称え『フローレンス・ナイチンゲール記章』創設しました。

各国赤十字社・赤新月社は、資格要件を満たす候補者を赤十字国際委員会(International Committee of the Red Cross:ICRC)あて推薦し、ICRCは各国から集まった候補者について審議・選考を行い、2年に1度、フローレンス・ナイチンゲールの生誕記念日である5月12日に最大50人の受章者を決定しています。

なお、第1回の記章授与は、フローレンス・ナイチンゲールの生誕100周年にあたる1920年(大正9年)に行われました。

推薦資格/受章資格

現在、医療機関や看護教育施設等の業務に従事しているか、または過去に従事した経験のある保健師、助産師、看護師、もしくは篤志看護補助者のうち、以下の条件のいずれかを満たしている者であること、とされています。

1 平時もしくは戦時において、次のような事項に関して顕著な働きをした者。
 ⑴  傷病者や障がい者、または紛争や災害による犠牲者に対して、果敢に献身的な看護活動に従事した者。
 ⑵  公衆衛生や看護教育の分野で、模範となるような活動に従事した者。またはこれらの分野で創造的かつ先駆的な精神のもとに活動した者。
2  国内災害救護、国際活動等の事業において、果敢かつ献身的に活動し、推薦に値すると判断される者。
3  献血思想の普及啓発、老人看護及び障がい者への理解促進を含む保健衛生活動、看護教育活動、救急法等講習普及事業等においても、献身的に永年その業務に携わり、その実績から高い評価を得られると判断される者。

なお、候補者が退職した、または死亡している場合であっても、最後の活動日と推薦書提出日との間が2年以内であれば、推薦対象とすることができます。 また、同記章は、生涯を通じての称賛に値する功績や業績の積み重ねを顕彰することを主眼とするものではなく、他に例をみないほどの献身的な活動や行為に対して授与するものであり、年齢や性別、経験は問いません。

日本国におけるフローレンス・ナイチンゲール記章受章者

本国では、第1回から第49回までに計115名の方がフローレンス・ナイチンゲール記章を受章しています。

日本におけるフローレンス・ナイチンゲール記章受章者一覧(第1回~第49回).pdf

なお、授与される記章(メダル)は銀色で、表面にはフローレンス・ナイチンゲールの像と「フローレンス・ナイチンゲールを記念して 1820-1910」の文字が、裏面にはメダルを囲むように「Pro vera misericordia et cara humanitate perennis décor universalis(博愛の功徳を顕揚しこれを永遠に世界に伝える)」の文字と共に、受章者名と受章日が記章の中央に刻まれています。

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