【速報10】トルコ・シリア地震:日赤支援によるシリア赤新月社の「巡回診療チーム」が活動中

 トルコ・シリア地震の被災地では、今も懸命な救援活動が続いています。こうした中、シリア赤新月社(赤新月社はイスラム圏の赤十字社)の巡回診療チームが村々を周り、負傷者や体調を崩した方がたの診療などにあたっています。日本赤十字社は2011年以降国際赤十字と協力する形で継続的にシリア赤新月社の支援を行ってきました。今回は、この地震災害の最前線で活躍する巡回診療チームの活動をご紹介します。

画像 巡回診療チームによる被災地での救護活動©シリア赤新月社

■地震の前から続く巡回診療サービス:へき地にも医療を

 シリアは12年間に及ぶ武力紛争により、病院の建物が損壊するなど、医療インフラにも大きな影響が及んでいました。特に農村部では、以前から医療施設の数が限られており、病気になっても十分な治療を受けることが出来ない地域もありました。そこで、シリア赤新月社は巡回診療チームを結成して、へき地で人びとの健康を守る活動を行ってきました。

画像 診察を受ける子どもⓒシリア赤新月社

 巡回診療チームは、医師、看護師、記録係、運転手の4人で構成されます。基本的な医療資機材を搭載した車両で地方の村を訪れ、学校や広場で臨時の診療所を開設します。時間になると待ち構えた住民が次々に集まってきます。

 巡回診療では、医師が診察や治療を行い、症状が重い場合には、より専門的な治療が受けられる医療施設に搬送することもあります。また、待合室ではシリア赤新月社の保健ボランティアが、集まった人々に感染症の予防など、健康にまつわる知識を提供します。

 これまでに32班の巡回診療チームが、シリア国内の各地で活動しています。特に、妊婦さんや子ども、高齢者や障がい者など、遠い町の診療所に行くことが困難な人びとの健康を守るために貢献してきました。

■地震の被災地で活動中

2月6日の地震を受けて、巡回診療チームはその機動力を生かして、直ちに救援活動を開始しました。被災後から9班の巡回診療チームが被災地に入り、これまでに23,286人を診察しました(2月18日時点)。一方で、シリアでは医薬品の不足や燃料費の高騰に直面しており、活動を継続するための努力が続けられています。日本赤十字社は、巡回診療チームの活動を地震の前から支援し、今後も支えていきます。

皆さまからの温かいご支援をお願いします

 日本赤十字社は、今後も国際赤十字の呼び掛けに応えて現地の活動を支援するとともに、誰も取り残さないための支援に全力で取り組みます。日本赤十字社にお寄せいただきましたご寄付は、今も支援を待っておられる方がたのために活用させて頂きます。引き続きのご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。

「2023年トルコ・シリア地震救援金」

受付期間: 2023年2月9日(木)~2023年5月31日(水)

使途  : 国際赤十字・赤新月社連盟の緊急救援アピール等に対する資金援助、トルコ赤新月社並びにシリア赤新月社による救援・復興活動、日本赤十字社による救援・復興活動等に使われます。

本ニュースのPDFはこちら(559KB)