【速報9】トルコ・シリア地震:トルコでの「こころのケア」活動

 2月6日にトルコ・シリアの国境付近で地震が発生してから、2週間が経過しました。被災地では、怪我をした人びとへの応急手当、救援物資の配付や食事の提供など、多岐にわたる支援活動が続けられています。そのような物資の支援の一方で、赤十字が大切にしているもう一つの活動があります。それは、人びとの苦しみやつらさに寄り添う活動です。トルコでは、今もなお厳しい環境のなかで過ごす人びとが、少しでも気持ちを落ち着かせ、安心して生活できるように「こころのケア」活動を実施しています。

■子どもたちが抱えるストレスを軽減するために

 「こころのケア」は、紛争や災害下において、被災者の心の健康を守るために行っている赤十字の代表的な支援活動の一つです。トルコ赤新月社は発災後、被災された人びとの心の傷に対して「こころのケア」を実施するために、臨床心理士やソーシャルワーカーなどの専門家53人を被災地に派遣しました。ストレスやトラウマを抱えている人びとのお話をじっくり傾聴し共感することや、子どもたちが安心して過ごせる時間や空間を作り、年齢に応じたリハビリテーションを行うことなど、それぞれの状況に応じて継続的に活動しています。

画像 子どもたちへのこころのケア©トルコ赤新月社

 また、現在までに精神保健の知識をもつ5,000人以上が新たにボランティアとしての協力を申し出ており、彼らは被災地から離れた周辺地域に避難している被災者のために、今後はオンラインや対面形式でのセラピーなどを企画する予定です。特に子どもたちのストレスやトラウマを軽減するためには、遊び場のほかに、おもちゃ、塗り絵、子ども向けの絵本が必要とされています。

 トルコ東南部とシリア西北部の国境付近では、20日(現地時間)にもマグニチュード6.4の地震が発生しており、人びとは相次ぐ地震にとても不安を感じているとトルコ赤新月社のスタッフは話します。私たちは、目に見えない傷を負っている方々がいることをも忘れてはなりません。被災地の人びとが安心して暮らせるようになるためには、息の長い支援が必要とされています。

皆さまからの温かいご支援をお願いします

 日本赤十字社は、今後も国際赤十字の呼び掛けに応えて現地の活動を支援するとともに、誰も取り残さないための支援に全力で取り組みます。日本赤十字社にお寄せいただきましたご寄付は、今も支援を待っておられる方々のために活用させて頂きます。引き続きのご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。

「2023年トルコ・シリア地震救援金」

受付期間: 2023年2月9日(木)~2023年5月31日(水)

使途  : 国際赤十字・赤新月社連盟の緊急救援アピール等に対する資金援助、トルコ赤新月社並びにシリア赤新月社による救援・復興活動、日本赤十字社による救援・復興活動等に使われます。

本ニュースのPDFはこちら(459KB)