2025年パキスタン洪水救援
最も被害の大きいカイバル・パクトゥンクワ州にたどり着いたパキスタン赤新月社ボランティア©PRCS
2025年6月末から9月中旬にかけて、気候変動によって激化したモンスーンの影響によりパキスタンは記録的な豪雨と洪水に見舞われ、特にパンジャーブ州、カイバル・パクトゥンクワ州、ギルギット・バルティスタン州で深刻な被害が発生しました。主要河川の水位上昇と堤防決壊により、同国の穀倉地帯であるパンジャーブ州では40年ぶりの大洪水となり、全国で690万人以上が被災、1,000人以上が命を落としました(11月5日時点、OCHA)。家屋約23万戸、橋790カ所、道路2,800km以上が損壊し、約220万ヘクタールの農地と家畜にも甚大な被害が及びました。被災者は住居や生計手段を失い、医療、水と衛生、避難所、食料、生計回復、心理社会的支援などを必要としています。冬季を迎える北部地域では、とりわけ長期的な復興支援と地域社会の回復力強化が急務となっています。
「2025年パキスタン洪水救援金」多くの皆さまのご協力、ありがとうございました。
日本赤十字社は、このたびの大規模災害の発生を受け、「2025年パキスタン洪水救援金」の募集を行いました(2025年9月19日~2025年11月28日)。
受付金額:381万2,714円
皆さまから温かいご支援をいただき、誠にありがとうございました。
お寄せいただいた救援金は、国際赤十字・赤新月社連盟(以下、連盟)、赤十字国際委員会(以下、ICRC)、パキスタン赤新月社および日赤が行う、パキスタンにおける救援・復興支援活動や防災・減災活動等に充てられます。
支援の概要
パキスタン赤新月社は、連盟、ICRC、日赤を含む各国赤十字・赤新月社の支援のもと、全国7支部にわたる1,000人以上の職員と2万人のボランティアを動員し、被災地でのニーズ調査に基づいて、救援物資や食料の配付、給水・衛生支援、医療および心理社会的支援など、幅広い救援活動を展開しています。特に、支援へのアクセスが困難な女性や子ども、高齢者、障がい者、移民などに重点を置き、誰ひとり取り残さないよう、包摂的かつニーズに即した支援の提供に努めています。
|
|
巡回診療チーム4班を派遣し、4,825人に診察と治療を行い、171人に心理社会的支援を提供しました。 |
|
1万1,500人に食料品、防虫加工済み蚊帳、飲料水容器などの生活必需品を配付しました。 |
|
|
被災地域に浄水設備を設置し、2万2,058人に対して、計12万リットルの安全な飲料水を届けました。 |
|
3,899人を対象に、557張のテントを配付 |
|
|
赤十字ボランティア66人(女性20人、男性46人)が、現金・バウチャー支援に関連した専門的な研修を受講し、現在、多目的現金支援のためのデータ収集が進んでいます。現金給付は2025年11月に開始予定。 | コミュニティ参画と説明責任 (CEA) |
コミュニティリーダー、教師、高齢者、女性や子どもを含む620人の地域住民に対し、赤十字ボランティアを通じて、赤十字に意見や要望などを伝えるシステムを説明しました。このシステムにより、一人一人の意見や声を支援活動に生かせるような仕組みづくりに取り組んでいます。 |
(上表内の数字はすべて2025年10月16日時点)
写真で見る救護活動
|
|
![]() パンジャーブ州パクパッタン地区の避難所で、温かい食事と水を配付©PRCS |
|
|
|
|
|
|
これまでの赤十字国際ニュース
2025年パキスタン洪水救援活動の現場から~赤十字の支援活動を支える調達部門~|トピックス|国際活動について|日本赤十字社
【速報3】パキスタン洪水:誰ひとり取り残さない支援を~日本赤十字社は連盟緊急対応要員の派遣を決定
保健医療
生活必需品
給水・衛生
避難所(テント)
多目的現金給付
コミュニティ参画と説明責任 (

被災した村の住民への聞き取り調査を実施©PRCS
被災した人びとに温かい食事と飲料水を配付©PRCS
