【速報】ネパール山岳地帯で大規模洪水が発生、ネパール赤十字社は緊急支援を開始
2026年8月26日朝(現地時間)にネパールと中国・チベット自治区との国境付近で大規模な土石流が発生しました。洪水は河川流域に沿って広範囲に及び、特に首都カトマンズの北に位置するバクマティ州のラスワ郡とヌワコット郡で甚大な被害が報告されています。
ネパール政府は最高警戒レベルであるレッドアラートを発令し、関係機関と連携しながら被害状況の把握と救援活動を進めています。
洪水により住宅やインフラに深刻な被害が生じたヌワコット郡©NRCS
橋や道路が流失、被害の全容把握は難航
現地では、洪水により住宅や道路、橋梁、水力発電施設などの重要インフラに大きな被害が出たと報告されています。複数の橋が流失し、主要道路も寸断されたことで、多くの地域が孤立しています。特に被害の大きいラスワ郡ではアクセスが極めて困難な状態が続いており、被害の全容把握が難航しています。
ネパール警察によると、8月27日午前5時時点(現地時間)で、死者162人、負傷者49人が確認されているほか、依然として多くの行方不明者がいるとされています。また、観光地や巡礼ルートが被災したことから、旅行者や巡礼者の安否確認も進められています。
今後、洪水が引いてこれまで到達できなかった地域へのアクセスが可能になるにつれて、被害の規模がさらに明らかになる見込みです。
ネパール赤十字社が緊急支援を開始
ネパール赤十字社は、発災直後から対応を開始し、職員を被災地へ派遣しています。また、被害の大きい地域の支部による活動を支援するため、緊急対応チームやボランティアの動員を進めています。
現在、被災者への飲料水の配付に加え、防水シート、毛布、マット、応急手当キット、遺体袋などの救援物資を被災地へ輸送しています。
さらに、緊急調整会議を開催し、被害状況の把握と今後の支援計画の策定を進めています。ネパール赤十字社は、被災者のための緊急シェルター支援や安全な飲料水の確保、給水・衛生活動、保健医療支援、孤立した地域へのアクセス回復などを優先課題として、対応を進めています。
被災者へ飲料水や救援物資を配付するネパール赤十字社©NRCS
被害状況の把握に向けて情報収集を行うネパール赤十字社©NRCS
中国紅十字会も被災地で支援活動を開始
今回の洪水により、国境を挟んだ中国・チベット自治区でも多くの死傷者と行方不明者が発生しており、住宅や施設の埋没、道路の寸断などの被害も報告されています。中国紅十字会は発災直後から対応を開始し、8月26日に現地へ調査チームを派遣しました。また、チベット自治区支部を通じて、テントや防寒ジャケット、衛生用品キットなど総額54万元(約1,300万円)相当の救援物資を被災地へ提供しています。
中国紅十字会は被害状況の把握を継続するとともに、地元当局と連携しながら、避難を余儀なくされた人びとへの支援を進めています。
IFRCは災害対応緊急基金の拠出を決定
国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)は、ネパール赤十字社の救援活動を支援するために、災害対応緊急基金(DREF)から約100万スイスフラン(約2億円)の拠出を決定しました。
IFRCネパール代表のデビッド・フィッシャー氏は次のように述べています。
「今は、家を失った人や負傷した人、孤立している人びとに支援を届けることが最優先です。今回のDREFの拠出により、ネパール赤十字社は被害調査を進めながら、直ちに支援活動を開始できます。IFRCは状況を注視しており、必要に応じて追加支援を行う準備を進めています。また、村や市場全体が流失した地域もあることから、長期的な復興支援も視野に入れています。」
IFRCは資金支援に加え、運営調整や技術的助言などを通じてネパール赤十字社を支援しています。状況は依然として流動的であり、被害や支援ニーズがさらに拡大する可能性があります。IFRCは引き続き最新情報を注視しながら対応するとともに、日本赤十字社も、ネパール赤十字社および中国紅十字会、IFRCと連携し、必要な支援の検討を進めていきます。
洪水被害を受けた現地を訪れ、被害状況の確認を行うネパール赤十字社©NRCS