ウクライナ人道危機から4年 ~ 紛争激化以来、最も厳しい冬と赤十字の活動 ~
2022年2月24日にロシアとウクライナ間の武力紛争が激化、拡大してから4年がたちます。繰り返されるエネルギー施設への攻撃により、一般住宅でも電気や暖房の供給が止まったりすることに加えて、氷点下20度以下の極寒の日が続くなど、この冬は2022年の紛争激化以来、最も厳しい冬とも言われています。
■寒波の中での電力不足と市民生活への影響
昨年の秋ごろから、ウクライナでは電力不足の影響によって、計画停電や緊急停電が頻繁に起こっています。今年に入り寒波に見舞われる中で、首都キーウでは一日に数時間しか電力供給が行われず家の中で暖が取れない日もあり、ミサイルやドローンの飛来による空襲警報も続く中、電力不足は人びとの生活に深刻な影響を与えています。ウクライナ政府によると、1月末にはウクライナ全土において、100万世帯以上で電気が使えない状況でした。
電力不足は、地下鉄や路面電車、トロリーバス(無軌条電車)といった公共交通の運行にも影響を与えています。キーウ州は最も影響を受けている州の一つで、1月には中心地であるキーウ市から60万人が避難したと言われています。電気が使えるうちに携帯電話を充電したり、調理をしたりと、人びとは電力不足に合わせた生活を送っています。しかし、空襲警報も続く中で、寒さと停電の影響を最も受けやすいのは、高齢者、移動が困難な人びと、幼い子どもを持つ家族です。

キーウ市内に設置されたヒーティングポイント ©URCS
■ウクライナ赤十字社による支援
このような状況を受けて、ウクライナ非常事態庁により、キーウ市では100か所以上のヒーティングポイント(暖を取れる避難所)が設置されました。人びとはこのヒーティングポイントで充電をしたり、温かい食事を取ったりすることができます。
ウクライナ赤十字社(以下、ウクライナ赤)は、同庁によって設置されたヒーティングポイントや、独自のヒーティングポイントの運営を、1000人以上のボランティアや職員によって継続し、1月から2月中旬までの期間に、25万人以上に支援を行いました。またウクライナ赤は、長期の停電時でも必要不可欠なサービスが継続されるように、全国に560台の発電機を設置しました。2022年の紛争激化以来、ウクライナ赤は1万5,000台以上の発電機を、病院、学校、幼稚園に届けています。
日本赤十字社(以下、日赤)は、このようなウクライナ赤による厳冬期の支援活動に対しても資金援助を行ってきました。

温かい食事を提供するウクライナ赤のボランティアとスタッフ 🄫URCS
■3月18日(水)にオンライン報告会を開催します
日赤は、3月18日(水)に「ウクライナ人道危機から4年~紛争下でのこころとからだのリハビリテーション~」をテーマに、オンラインでシンポジウムを開催します。本イベントでは、独立行政法人国際協力機構および公益社団法人日本理学療法士協会との共催で、ウクライナにおいて長期的な課題となる「こころとからだのリハビリテーション」に焦点を当て、各団体が行う支援を紹介するとともに、リハビリテーション分野における現地の課題や将来について、パネルディスカッションを行う予定です。イベントの案内については、こちらをご覧ください。皆さまのご参加をお待ちしています。

ウクライナ赤職員にリハビリテーションの技術指導を行う武蔵野赤十字病院の平野理学療法士🄫URCS
赤十字は人びとの日々を支えるための支援を今後も続けるとともに、いまだ終わりの見えない武力紛争と並行して進む復興への支援も進めてまいります。現在の武力紛争の状況に鑑みて、日赤は「ウクライナ人道危機救援金」の受付期間を2027年3月31日まで延長することにいたしました。引き続きウクライナ人道危機へご関心をお寄せいただくとともに、「ウクライナ人道危機救援金」へのご協力をどうぞよろしくお願いいたします。
ウクライナ人道危機救援金
受付期間:2022年3月2日(水)~2027年3月31日(水)
使途: 国際赤十字・赤新月社連盟、赤十字国際委員会、および各国赤十字・赤新月社が実施する、ウクライナでの人道危機対応およびウクライナからの避難民を受け入れる周辺国とその他の国々における救援活動を支援するために使われます。