【NHK海外たすけあい】バングラデシュ南部避難民支援: 約120万人のいのちを守り続けるために、あなたの力が必要です。

避難民の大規模流入から8年。終わりの見えない人道危機

 2017年8月、ミャンマー・ラカイン州で発生した暴力から逃れた人びとが、隣国バングラデシュ南部コックスバザールに避難しました。8年以上が経過した今も、コックスバザール周辺の避難民キャンプには、約120万人が暮らしています(2025年10月時点、UNHCR)。
 また2024年以降、ミャンマーの情勢悪化により、新たにキャンプに到着する人が大幅に増えており、2024年からの流入者数は15万人に達するともいわれています。事態は収束するどころか、今も逃れてくる人が増え続けています。
 しかし8年が経過したことで国際社会からの関心は薄れ、支援のために必要な財源を確保できていません。
 当時アジア最大の人道危機と呼ばれたこの状況はさらに長期化が予想され、このままでは、食料・医療・教育・衛生など、生きるための最低限の支援すら維持できなくなる恐れがあります。

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8年がたった今も、赤十字は現地で支援を継続している。©IFRC

現場で支え続ける、日本赤十字社の保健医療支援

 日本赤十字社は、人びとのいのちと健康、尊厳を守るため、2017年9月からバングラデシュ赤新月社と共に保健医療を中心とした支援を続けています。同年12月に開設した診療所は、8年がたった今も、月に約2,700人から3,000人の患者さんが通う、現地から信頼される医療の場となっています。

現地からの感謝の声~診療所に通う避難民の患者さん~

トスリマさん
(7月の妊婦さん)

「今月、ひどい貧血だと分かりました。輸血が必要だと聞いたときはとても不安で、最初はしたくないと思いました。ボランティアの方が何度も丁寧に説明してくれて、輸血を受けることに決めました。そして、ボランティアのみなさんが私のために献血してくれました。今はとても体調がいいです。彼らの献身的な対応にとても感謝しています。」

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©JRCS

モフィズール・ラーマンさん
(診療所に受診に来た患者さん)

「今日は肩や腰が痛くて受診しました。3年前から家族で何かあるとここの診療所に来ています。先生は丁寧に診てくれて治療も適切です。看護師やボランティアの方たちもとても親切で安心しています。ここの診療所がずっと続いてほしい。」

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©JRCS

 避難生活の長期化に伴い、糖尿病や高血圧などの慢性疾患、妊産婦ケア、感染症対策といった課題は増すばかりですが、日本赤十字社は、バングラデシュ赤新月社と協力し、診療所における保健医療サービスの提供や地域でのボランティア活動を通して、その一つ一つに向き合い、いのちと健康、そして尊厳を守るための支援を届けています。

現地での取り組み

 バングラデシュ赤新月社と国際赤十字・赤新月社連盟が、現地の様子や支援状況が分かる動画を作成しており、以下からご覧いただけます(2025年9月、国際赤十字・赤新月社連盟作成)。

 国際赤十字・赤新月社連盟は8回目の緊急救援アピールの改訂を行い、支援期間を2027年12月まで延長し、国際社会へ広く支援を呼びかけています。

海外たすけあいへ、ご協力ください。

 報道が減っても、支援が縮小しても、避難民の人びとの暮らしは続いていきます。
 日本赤十字社はバングラデシュ赤新月社や国際赤十字・赤新月社連盟と協力して、支援に対する世界や世間の関心の差によらず、最も弱い立場に置かれた人びとに支援の手を差し伸べるため、活動を続けていきます。
 支援を途絶えさせず、約120万人を超える避難民のいのちと未来を守るために、引き続き、バングラデシュ南部避難民支援事業へご関心をお寄せいただくとともに、「NHK海外たすけあい」へのご協力をよろしくお願いいたします。

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