【NHK海外たすけあい】ミャンマー地震から９カ月、深刻な人道状況の中でも進む復興支援

　2025年３月28日にミャンマー中部で発生した地震では3,700人以上が死亡、5,100人以上が負傷する被害が発生、130万人以上が被災したとされています。この地震に対し、現地のミャンマー赤十字社は被災地に迅速に支援チームを派遣し、さまざまな救援活動を行うとともに、国際赤十字も協力して必要な支援を展開してきました。日本赤十字社（以下、日赤）も救援金を募集して資金援助や救援物資の寄贈を行った他、診療所ERU（Emergency Response Unit/緊急対応ユニット）として医療チームを派遣し、ミャンマー赤十字社の活動を支援してきました。
　緊急救援の活動は終了したものの、人びとの生活再建のためのニーズは高く、また国内で発生している武力衝突や度重なる自然災害の影響もあることから、現地ではより中長期的な支援が望まれています。このニーズに応えるため、日赤はお寄せいただいた救援金を基に、国際赤十字の一員として、さらなる支援を進めています。

「二重の被災」など、複雑な環境下での中長期支援

　発災直後から現在に至るまで、ミャンマー赤十字社および国際赤十字は支援活動を継続しており、日赤もこれを支援しています。早期復興期の段階に当たる現在は、生活物資の配付の他、被災された約３万世帯を対象とした現金給付を行っており、このお金が、家屋の修繕や生活必需品の購入などに充てられています。現金給付を受けた方からは、「赤十字の支援が受けられてとても助かる。ただ、生活の再建にはまだまだお金も時間も必要」という声が聞かれるなど、感謝の声を頂くとともに、さらなるニーズがある様子もうかがえます。

　日赤は現地に職員を派遣して、活動の進捗状況の確認や今後の支援計画の策定などを進めていますが、ミャンマーで支援をする上では、地震被害にとどまらない背景についても考慮する必要があります。同国では、国内で発生している武力衝突や頻発する自然災害の影響により、地震被害も含めた「二重被災」の状態にある方もいます。今年10月に日赤職員が訪問した被災地には、数年前に武力衝突から避難してきた中、今回の地震で被災したケースなど、困難な状況に直面している方が数多くいらっしゃいました。

幅広いニーズに応える、コミュニティを通じた支援へ

　二重に被災されている方々は、避難所や仮住まいでの生活が長期化する中、生計手段の制約や、十分な教育や保健医療サービスが受けられない状態にあるなど、さまざまな課題を抱えています。現在も多くの避難者が生活する施設の管理者は、「避難者を受け入れるスペースが次々と埋まり、生活するための十分な環境を整えることができません。本来は教室となるスペースも確保できず、子供たちには屋外に机を置いて勉強してもらっている状況です」と話します。

　日赤は現在、ミャンマー赤十字社および国際赤十字と協力し、被災された方が多く暮らすコミュニティにおいて、さまざまなニーズに応えつつ、将来の防災・減災にもつながる支援を計画しています。武力衝突が発生している地震の被災地でも、ミャンマー赤十字社だからこそアクセスできる地域があり、赤十字の支援が求められています。

　ミャンマー地震で被災された方々に対する救援金の募集は現在終了していますが、お寄せいただいた救援金を基に、今後、数年間にわたって、現地での支援活動を継続していく予定です。

　なお、日赤では、12月1日から25日まで「NHK海外たすけあい」キャンペーンも実施しています。日赤の国際活動は皆さまからのご寄付に支えられており、このキャンペーンでお寄せいただいたご寄付も、世界で発生している自然災害などで苦しむ人びとのために使われます。皆さまの温かいご支援を、どうぞよろしくお願いいたします。

＊NHK海外たすけあいキャンペーンへのご寄付はこちらからお願いします。
＊これまでのミャンマー地震における赤十字の対応などはこちらからご覧いただけます。

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