ミャンマー地震から1年、復興への歩みは今も続く
2025年3月28日、ミャンマー中部をマグニチュード7.7と6.7の2つの大地震が襲いました。強い揺れにより、住宅や学校、病院を含む多くの建物が倒壊し、135万人以上が被災しました。現地当局(ミャンマー政府・情報省)の発表[1]によると、死者は3,815人、負傷者は5,104人に上り、20万人以上が避難を余儀なくされました。被災したザガイン地方では、国内で続く武力衝突や洪水などの影響から地震発生当時、すでに多くの人びとが国内避難民となっていましたが、震災から1年となる今も約130万人が国内避難民として生活しています(2026年3月16日時点、UNHCR)。これは、ミャンマー国内で避難を余儀なくされている人びと全体の3分の1にあたる人数です。
この地震は、ミャンマー国内各地で続く武力衝突や、頻発する自然災害など、すでに複数の危機に直面していた地域を直撃しました。地震後には猛暑も続き、度重なる困難の中で、人びとの暮らしは大きな負担を強いられました。
発災から1年が経過した現在も、多くの人びとが困難な状況に置かれています。自宅を再建できた家庭もありますが、多くの家庭はいまだ生計の立て直しに課題を抱えており、医療や水・衛生といった日常に欠かせないサービスを十分に利用できない状況が続いています。緊急対応から復興へ、さらに地域社会が長期的に回復・再建し、人びとが尊厳と希望を持った暮らしを取り戻せるよう、継続的な支援が欠かせません。
[1] https://cdn.digitalagencybangkok.com/file/client-cdn/gnlm/wp-content/uploads/2025/09/6_Sept_25_gnlm.pdf
ミャンマー赤十字社ボランティアによる女性グループ向けの心理社会的支援。地域に寄り添うボランティアの活動が、人びとの大きな支えとなっている。©IFRC
国際赤十字による継続的な支援
こうした状況の中、ミャンマー赤十字社は、国際赤十字と連携し、発災直後から被災者に寄り添った支援を続けてきました。
国際赤十字・赤新月社連盟(連盟)は、日本赤十字社を含む世界32の赤十字・赤新月社から寄せられた総額2,950万スイスフラン(約59億円)を超える支援を元に、初期段階からの資金拠出に加え、緊急対応要員の派遣、救援物資の調達、住民参加を重視したしくみづくりなどにより、ミャンマー赤十字社の活動を支えてきました。
赤十字国際委員会(ICRC)は、これまで40年にわたりミャンマーで活動を続け、武力紛争や暴力の影響を受ける人びとを支援してきました。今回の地震を受けて、被災地での支援活動を大幅に拡大し、ミャンマー赤十字社や市民社会組織などの地域パートナーと協力して、シェルターや生活必需品の提供、食料や生計支援、安全な水と衛生環境の確保、医療サービスの提供などを行っています。
多くの家族が、住まいの確保や住宅の修復、生計手段の再建、基本的なサービスへのアクセスの回復など、復興に向けて大きな前進を遂げています。こうした進展の背景には、地域社会の連帯に加えて、発災直後からの第一対応者、赤十字ボランティア、そして連盟・ICRCおよび多くの赤十字・赤新月社による国際赤十字の支援がありました。
日本赤十字社も国際赤十字の一員として、連盟およびICRCの緊急救援アピールへ対応し、資金・物資による支援(約1億円相当)を行ったほか、診療所ERUチームとして医師・看護師など職員5人を派遣し、ミャンマー赤十字社を支えながら現地での医療支援や支援体制の強化を後押ししてきました。
女性向けのディグニティキット(尊厳キット:衛生・生理用品など)など、支援物資を受け取る地域住民。現地では変化するニーズに寄り添い、人びとが暮らしを復興していく際に求められる優先事項に沿った支援が進められている。©IFRC
復興の進捗(しんちょく)状況を確認するため、修繕された住居や仮設住居の視察に訪れる連盟とミャンマー赤十字社スタッフ©IFRC
ミャンマー赤十字社による地域に根差した支援
こうした国際赤十字の支援のもと、ミャンマー赤十字社は、698人以上の訓練された赤十字ボランティアを全国で動員し、国内外のパートナーと協力しながら、被災者20万人以上に支援を届けてきました(2026年3月時点)。広く地域に根差したネットワークの強さと多くのボランティア、そして地域コミュニティの人びとからの信頼を基盤に、支援が届きにくい地域にも手を差し伸べ、支援を必要とする人びとを取りこぼさない活動を続けています。
赤十字ボランティアはデジタルツールも活用しながら、透明性を確保した効率的な支援を実現し、住民参加やフィードバックのしくみを通じて、地域のニーズに合った説明責任のある支援を支えています。
ミャンマー赤十字社の支援実績(2026年3月時点)
| 23万人以上に保健医療サービスを提供。 | 日赤を含む各国赤十字社などから、300トン以上の救援物資を輸送。 | ||
| 12万6,922人以上に、食料や生計支援を提供。 | 130万リットル以上の安全な飲み水を配付。 | ||
| 給水設備やトイレの整備、衛生用品の配付などを通じ、22万1,000人以上に給水衛生サービスを提供。 | 3回にわたり、2万1,000世帯以上に現金給付を実施。さらに、2万3,424世帯に追加の現金支援を実施。 | ||
| 女性向けのディグニティキット(尊厳キット)や乳児キットなど、年齢や性別に応じた支援物資を9,000人以上に提供。 | 9万3,000人以上に、テントなどの住居支援を行うとともに、蚊帳、キッチンセットなど生活に欠かせない救援物資を配付。 |
ミャンマー赤十字社は、ザガイン地方の村で巡回診療を実施(2026年2月)©IFRC
衛生啓発活動や子どもたちが安心して過ごせる「チャイルドフレンドリースペース」を設置するなど、地域に根差した支援を続けている。©IFRC
ご寄付をもとに、被災地の復興と将来へ
「2025年ミャンマー地震救援金」の受け付けは、2025年6月30日をもって終了いたしました。多くの皆さまから温かいご支援をお寄せいただき、総額7億4,774万1,164円のご寄付が集まりました。心よりお礼申し上げます。
日本赤十字社は、皆さまからお寄せいただいた救援金を元に、ミャンマー赤十字社およびタイ赤十字社、その他国際赤十字と連携しながら、被害の大きい地域を中心に、災害などに強い持続可能な地域づくりを引き続き支援していきます。
※これまでのミャンマー地震における赤十字の対応については、こちらをご覧ください。