【速報15】ミャンマー地震:発災からまもなく2か月、被災地はいま
ミャンマー中部を襲った地震からまもなく2か月がたとうとしています。3月28日の本震に続き、これまでに160回近くもの余震が繰り返される中、現在も20万人を超える方々が避難生活を続けています。
支援ニーズは依然大きく、雨季が到来した被災地では、感染症やさらなる避難の脅威にもさらされています。また、慢性疾患による患者さんも後を絶ちません。長引く避難生活の中では、プライバシーや安全、特に女性や子ども、高齢者、障がい者などの保護に対する支援もいっそう求められます。
■被災地のニーズに応え、多岐にわたる支援を継続
このような状況下、ミャンマー赤十字社は、国際赤十字・赤新月連盟(以下、連盟)と日本赤十字社(以下、日赤)を含む各国赤十字社とともに、被災された方々に寄り添い、生活再建を支援しています。シャン州南部では、現金給付をはじめ、衛生用品、毛布、蚊帳、衣類を配付しているほか、家屋が全壊した世帯には防水シート、建材や台所用品を、高齢者にはマットレス等を提供しています。また、マンダレーでも家庭用の生活物資や食料、バゴーでは仮設テントや衣類、飲料水の提供を行っています。サガインでは医療ニーズに対してモバイルクリニック(巡回診療)の活動を継続的に実施しています。
現金給付や物資配付の様子©MRCS
飲料水の配付©MRCS
日赤の緊急対応ユニット(Emergency Response Unit=ERU)は、ミャンマー赤十字社のモバイルクリニックチームと連携し、サガインの各地で診療のサポートを行っています。また、モバイルクリニックのスタッフやボランティア向けの研修教材も作成しています。その内容は、雨季に関連した健康リスクや安全な搬送手順(頸部(けいぶ)損傷時の対応など)、フットケア、創傷処置、トリアージ、心理的応急処置等と、現状および今後のニーズに対応したものになっています。
モバイルクリニックでの診療©MRCS
ミーティングを行うモバイルクリニックチームと日赤職員©JRCS/MRCS/IFRC
■少しでも質の高い支援を届けるために
日赤が支援するモバイルクリニックチームは、日々、目の前の患者さんに懸命に向き合っています。
医薬品の保管方法や管理の効率化などを支援した日赤薬剤師は、チームで働くミャンマー赤十字社薬剤師の向上心と熱意に感銘を受けたと言います。
「彼らは、文字通り休むことなく活動を続けています。さまざまな制限がある被災地の難しい状況下で、それでも薬剤師としての強い責任感を持ち、少しでも良い支援を届けるために前向きに頑張っています。私たちも、彼らの思いに寄り添い、サポートを続けていきたいです。」
医薬品管理について協議するミャンマー赤十字社薬剤師と日赤薬剤師(写真右)©JRCS/MRCS/IFRC
被災地での活動を支えるミャンマー赤十字社の職員やボランティアには、自身や家族が被災された人も少なくありません。支援活動が長期化するなか、避難された方々へのこころのケアのニーズの高まりとともに、支援者自身の疲労やストレスも忘れてはならない課題です。最前線で活動を続けているミャンマー赤十字社が、これからも必要な活動を続けていけるよう、日本赤十字社はより中長期的な支援を計画してまいります。引き続き、皆さまからのあたたかいご支援をよろしくお願いいたします。
「2025年ミャンマー地震救援金」
受付期間:2025年4月1日(火)~ 2025年6月30日(月)
使 途 :連盟、ICRC、ミャンマー赤十字社、タイ赤十字社および日赤が行う、ミャンマーおよびタイにおける救援・復興支援活動や防災・減災活動等に充てられます。