【速報5】ウクライナ危機:戦闘激化から2週間

 ウクライナにおける戦闘が激化して2週間が経ちました。これまで230万人以上の人びとがウクライナから周辺国に避難(UNHCR39日時点)しており、依然として緊迫した状態が続いています。

 ウクライナ赤十字社は、前々回の記事からボランティアがさらに2,000人増え、現在合計6,000人の赤十字ボランティアが各地で引き続き救援物資の配付や、応急手当の訓練の実施、国境地域にいる人びとへの支援などを行っています。これまで、避難のために移動する人びとに食料と衛生用品9万セットを配付、キーフ(キエフ)市内の地下鉄の駅に避難している7,000人への食料と生活必需品の提供、12,000人以上への応急手当の研修を実施しました。

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物資を運ぶ赤十字ボランティア(C)ウクライナ赤十字社

 このような緊急事態において、私たち赤十字は、ウクライナから逃れてきたすべての人たちに対して、公平で差別のない人道的支援とサポートを提供しています。ナイジェリア人のフランシスさんとカメルーン人のフランクさんはウクライナに留学していましたが、この度の事態を受けハンガリーに家族で避難しました。ハンガリー赤十字社は国境沿いで、医療サービスなどを提供しています。「赤十字はとてもやさしくしてくれました。食べ物やお茶を提供してくれたり、赤ちゃんのための食事を作るのを手伝ってくれたりしました。これからもこのような活動を続けてほしいです」と2人は語りました。

画像 赤十字ボランティアから説明を聞くフランシスさんとフランクさん(C)ハンガリー赤十字社

ご家族の安否をご心配されている方へ

赤十字は、紛争で離ればなれになってしまったご家族の連絡を回復・維持するための活動を行っています。

現地でお困りの場合は、赤十字国際委員会(ICRC: International Committee of the Red Cross)がホームページで「ウクライナ紛争で影響を受けている方々に役立つ情報」を公開しています(英語・ウクライナ語・ロシア語)。

現地の治安の状況からご支援できることは限られていますが、上記サイトから、ウクライナ国外にお住まいの方は、最寄りの赤十字社またはICRCの事務所にご連絡ください。連絡先は、離散した家族の再会・連絡回復を支援する「ファミリーリンク・ウェブサイト(https://familylinks.icrc.org/directory)」からご確認いただけます。

なお、被調査者と調査依頼者に血縁関係があることや、個人を特定するに足りる十分な情報があること、安否調査の実施が被調査者や調査依頼者はじめ関係当事者の利益を損なうような事態にならないこと等、いくつか受付基準がございますので予めご了承ください。日本国籍の方の場合、在ウクライナ日本大使館のホームページにも参考情報がございます。

日本で現地にいらっしゃるご家族の安否をご心配されている方は、日本赤十字社(事業局国際部 企画課 E-mail: tracing@jrc.or.jp)までご連絡ください。

赤十字は引き続き、国際社会のサポートの元、紛争で影響を受けている方々の支援を続けます。

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「ウクライナ人道危機救援金」募集中

受付期間: 2022年3月2日(水)~2022年5月31日(火)

使途  : 国際赤十字・赤新月社連盟、赤十字国際委員会、および各国赤十字・赤新月社が実施する、ウクライナでの人道危機対応及びウクライナからの避難民を受け入れる周辺国とその他の国々における救援活動を支援するために使われます。