【速報3】ウクライナ危機:100万人以上がウクライナ外に避難、赤十字も活動を継続中

 ウクライナにおける紛争が激化してから1週間が経ちました。人びとは想像を絶するほどの緊張や危険の中で、悲痛な毎日を送っています。何百万もの人びとが水、電気、ガス等がない中で暮らしており、インターネット回線も不安定で家族や親せきとも思うように連絡が取れません。安全な場所を求めて何時間もさまよう人たちもおり、これまで100万人以上の人がウクライナから周辺国に避難(UNHCR32日時点)、その数は増加すると言われています。

 この事態に対し、国際赤十字は一丸となって、ウクライナ内外で食料や水、必要物資の支援、応急手当の研修、必要な情報の提供や医療施設での医薬品や機器の支援等に励んでいます。ウクライナ赤十字社は、今回の紛争激化後に新たに登録された1,000人を含む計4,000人のボランティアと共に、ウクライナの様々な地域で、食料や衛生用品などの必要物資の配付、障がいのある方や支援が必要な方々の避難の支援をしています。また、周辺国の赤十字社も避難してきた人びとを受け入れる活動を続けています。

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国境沿いでウクライナから避難した人々に情報や物資を提供する赤十字ボランティア(C)ハンガリー赤十字社

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救援物資の準備をする赤十字ボランティア(CMaksym Trebukhov/Ukrainian Red Cross



赤十字国際委員会(ICRC)はウクライナ南東部の都市マリウポリで、避難生活を送る4,000人以上の人びとに食料、衛生用品、子ども用品を届けました。

マリウポリ中心部にある100人収容の避難所に身を寄せるナタイリャさん:

「家族5人で避難所に身を寄せています。私たちはアルタナ地区から爆撃の中を逃げてきま した。砲弾がまさに真上から落ちてきたので、着の身着のまま地下に逃げ込みました。なので、私たちはあらゆるものを必要としています。今着ているものは、親切な人たちや赤十字がくれたものです。今は何より薬と衛生用品が欲しいです」

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マリウポリの避難所に身を寄せるナタイリャさん(提供:ICRC

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マリウポリの避難所にて、ユーリアさん(提供:ICRC

マリウポリの避難所にて、乳児を腕に抱く、7人の子どもの母親ユーリアさん:

「私たちは、爆撃が始まった当日からここに身を寄せています。私ひとりで、7人の子どもを連れてきました。何も持たずにここにやってきて、今は援助を受けています。食べ物、衣類、充電など、日常生活に必要なものすべてを欲しています。どんな援助でも感謝しかありません」

 ウクライナにいる赤十字の職員やボランティアは、街のあちこちで起きている戦闘を目の当たりにしながら、必要な支援を提供し続けています。しかし、治安の状況によりアクセスできない地域もあり、刻一刻と人道ニーズは高まっています。

 このような中、世界中の多くの人が連帯を示し、支援の気持ちが寄せられています。私たちは、人びとが必要とする支援を確実に届けられるよう、今後も支援を続けていきます。

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「ウクライナ人道危機救援金」募集中

受付期間: 2022年3月2日(水)~2022年5月31日(火)

使途  : 国際赤十字・赤新月社連盟、赤十字国際委員会、および各国赤十字・赤新月社が実施する、ウクライナでの人道危機対応及びウクライナからの避難民を受け入れる周辺国とその他の国々における救援活動を支援するために使われます。