【速報4】ウクライナ危機:赤十字の連帯、ボランティアの思い

 ウクライナ危機に対し、周辺国および欧州の赤十字・赤新月社から、続々と現場のニーズに合った救援物資が届けられています。人びとが必要とする支援を確実に届けるために、国際赤十字の調整のもと、各社が情報共有をしながら、連帯をもって対応しています。

 救援物資の運搬から仕分け、配付といった活動や、医療支援、心理社会的支援(こころのケア)、離れ離れになってしまった家族の再会支援など、これらの活動は、それぞれの国の赤十字・赤新月社のボランティアによって支えられています。

ウクライナ赤十字社のボランティアのユリアさんは、1年間、赤十字ボランティアを続けています。

「私は人びとを助けたいと思っています、だからここにいるのです」とユリアさんは語ります。

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ポーランド赤十字社のボランティアのアレサンドラさんは医師で、現在ウクライナから避難してきた人が過ごす一時避難所で医療を提供しています。

避難所では特に子どもたちの患者が多く、風邪やのどの痛みの症状を訴える子どもや、長旅でけがをしている子の診察をしています。

「このような状況下で人びとが助けを必要としている中、自分にできることとしてボランティアすることに迷いはありませんでした」と語ります。

各国赤十字・赤新月社の活動も続いています。イタリア赤十字社は、ルーマニア赤十字社のサポートを得ながらトラック4台分、計32トンの救援物資(食料、毛布、医薬品、外傷を手当するためのキット)を、トルコ赤新月社は、トラック8台分の救援物資(テント、衛生用品セット、簡易ベッド、寝袋など)をそれぞれルーマニアの国境に近いウクライナのチェルニウツィに運びました。トルコ赤新月社はキッチンカーで炊き出しを行い、ウクライナから国境を越えて避難する人びとに温かい食事と飲み物の提供も行っています。

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左:救援物資の積み込み(C)イタリア赤十字社

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右:救援物資を運ぶトラック(C)トルコ赤新月社

一方、国際赤十字・赤新月社連盟によると、ドンバス地方からも約17万人の人が避難していると言われており、ロシア赤十字社は避難者に対し、救援物資の配付や医療支援、心理社会的支援(こころのケア)などを実施しています。同社は避難民救援のため、187トンの支援物資を準備しています。

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食料、水、医療物資などの救援物資の運搬 (C)ロシア赤十字社

私たち赤十字は危機の現場においても一丸となって、人道・中立・公平の赤十字の基本原則のもと、人道援助を必要としている人びとに支援を届け続けています。それぞれの国にいる多くの赤十字ボランティアの存在が、この活動を可能にしています。

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「ウクライナ人道危機救援金」募集中

受付期間: 2022年3月2日(水)~2022年5月31日(火)

使途  : 国際赤十字・赤新月社連盟、赤十字国際委員会、および各国赤十字・赤新月社が実施する、ウクライナでの人道危機対応及びウクライナからの避難民を受け入れる周辺国とその他の国々における救援活動を支援するために使われます。