私たちの研修プログラムについて

研修は、赤十字社職員、日本赤十字社の国際要員に登録された方、赤十字での国際活動参加に関心のある方を対象に実施しています。

研修プログラムについて

国際活動に参加するための研修体系は、e-ラーニングからスタートします(図参照)。
登録研修は、日本赤十字社独自の事業や、国際赤十字・赤新月社連盟(連盟)及び赤十字国際委員会(ICRC)の事業での派遣を希望される方は「国際救援開発協力要員研修Ⅱ(IMPACT)」を、緊急対応での派遣を希望される方は「保健医療ERU研修」を受講していただきます。

登録前の研修

eラーニング

登録研修に参加するまでに、所定のオンライン研修で登録研修に参加するための土台となる知識を学習します。

研修に参加し、日本赤十字社を通じて海外の開発や救援の活動に参加するためには、2つのeラーニングを修了していただく必要があります。これらはすべて、国際赤十字・赤新月社連盟が提供するLearning Platformで学習できるものです。Learning Platformの登録方法についてはこちら。eラーニングは、他にも多種多様なミッションに備えるためのオンラインコースを無料で提供しています。

2つの必修eラーニング
  1. The World of Red Cross and Red Crescent : WORC(国際救援・開発協力要員研修Ⅰ)
  2. Stay Safe - Personal Security(安全管理研修Ⅰ)

登録研修

赤十字・赤新月の運動構造を理解し、救援の仕組みやツールを理解する、派遣準備のための研修です。シミュレーションエクササイズを通じて、ベースとなる概念やアプローチについても学びます。

国際救援・開発協力要員研修Ⅱ*(IMPACT)

赤十字の国際活動に参加する人の入り口となる研修です。赤十字が持つ人道的価値観や基本原則、責務や文化に対しての理解と責任を深め、紛争、災害、開発の状況下で直面する問題や課題についても学びます。他、支援先の赤十字・赤新月社と効果的に協力していく上で求められる、実践的な知識、技術を習得します。内容は多岐にわたりますが、いずれも基礎的なレベルをカバーします。

  • 国際救援・開発協力要員研修Ⅰはeラーニングです。
保健医療ERU研修

海外での大規模災害等発生時において、国際赤十字の要請に応え日本赤十字社が緊急対応ユニット(Emergency Response Unit: ERU)の派遣を決定した際に、その要員としてミッションに参加するのに必要な知識・技術について、演習、グループワークを交えて学びます。

派遣前の研修・スキルアップの研修

安全管理研修

派遣先は、政情不安定な国や紛争周辺地域に及ぶ可能性があることから、安全管理の基本知識や、様々な脅威への対処法を学びます。

安全管理研修Ⅱ*

各要員が派遣先での安全確保、存在する脅威の見極め、予防策・緩和策等の基礎的な知識、能力を身に付け、安全管理意識の向上を図ることを目的とします。本研修は、派遣に参加する前の必修の研修です。

  • 安全管理研修Ⅰはeラーニングです。

専門研修

感染症対応、地域保健、戦傷外傷、こころのケア、メディカルロジスティクス、事業管理、水と衛生、電気技術等、派遣事業との関連性がある分野についての各種専門研修を実施しています。

  • 専門研修の対象は赤十字社職員、日本赤十字社の国際要員ですが、一部、希望者の方に参加のご案内が出来るものもあります。

要員の派遣先でのミッションに必要なスキルを獲得するための研修を実施しています。各自、進みたい分野の研修を受講し、要員としてのスキルの向上に努めていただきます。専門研修は、国内に5つある国際医療救援拠点病院にて開催しています。
主な研修:熱帯医学研修、災害外傷研修、PSS(Psychosocial Support:心理社会的支援)研修

研修参加者の声

ICRC主催 戦傷外科セミナー(War surgery seminar)に参加して

研修では銃撃、爆発、地雷による怪我への対応法のみならず、CTMRIなどの先端医療機器がない中で、レントゲンと患者の身体状況により医師は手術をするか否か判断する必要があることが紹介されました。また、紛争下に多い性的暴力の被害者への対応の際に注意する点、怪我による四肢の切断の合意を得る場合に本人の意思もさることながら所属する部族長の意見が尊重されるケースがあることなど、文化的・倫理的配慮の必要についても学びました。

迅速な治療を受けられていなかったり、不適切な治療を受けたりしたまま放置されていた患者が普段の生活に戻るための再建手術を行うのも戦傷外科で取り扱う仕事のひとつです。適切な治療が受けられなかったために傷が残っている娘を持つ母親が、その外見のために娘が外出するのを嫌がり、学校にすら通わせていなかったのが、適切な治療を受けたことで、学校に戻ることが出来た、という事例があります。設備や人手が満足に得られない状況であろうとも、患者さんがその後もその人らしい生活が出来るよう、治療することが重要なのです。
 本研修に参加して戦傷外科の基本的知識のみならず、ICRCの活動全体についてより深く理解することが出来ました。特に、制限のある環境下でどう対応するか、その中でも「紛争下だから仕方ない」と言い訳をすることなく、ICRCとして質の高いケアを提供する義務がある、と言っていたのが印象的でした。

        研修のより詳しいエピソードはこちらから