「ボランティア活動充実に向けた研究会」(後編)講座内容

2回にわたってご紹介している「ボランティア活動充実に向けた研究会」について、後編はプログラムの内容についてご紹介します。
本研究会の構成は、2つの「講座」と「奉仕団運営にかかるグループワーク」、「赤十字ボランティアの課題と検討内容の共有」の4本立てで実施しました。

今回は、講座の1つとして実施した「YABCツールのアクティビティ体験」にスポットを当ててご紹介します。

YABCとは?

Youth as Agents of Behavioral Change (以下、YABC)とは、国際赤十字・赤新月社連盟(以下、IFRC)が若者向けに開発した研修ツールで、日本語に訳すと「行動変容の担い手としてのユース」となります。

IFRCは、「社会的に弱い立場にある方も含めた人々を、地域社会の一員として取り込み、支え合い、暴力の無い平和な世界を促進」するにあたり、赤十字7原則の深い理解が重要だと考えています。YABCは、「非暴力の文化と平和の促進」を目的とし、新しいものの見方を取り入れることに柔軟自分や周囲の考え・行動を変えるための強い力を持っている若者が、7原則を体現するために必要な能力を伸ばすことを目指し、開発されました。

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平成28年度と29年度に集合型で研修会を開催。アクティビティを通じて赤十字7原則への理解を深める(写真は平成29年度の様子)



YABCによって赤十字7原則に則った行動が出来るようになった若者が、仲間の意識改革や行動変容を促していくことを目指しており、日本でも過去に2回「赤十字7原則に関するセミナー」と題して研修会を開催しています。

令和2年度の研究会で実施したYABCツールのアクティビティ体験 

本研究会では、参加者にYABCを取り入れることが若手のボランティアにとって有益であることを実感してもらうため、YABCのツール体験をプログラムに組み込みました。はじにYABCについて簡単に説明した後、YABCのアクティビティを体験いただきました。

画像 体験したアクティビティは、「4枚の紙に自分にとって大切なものを書き、 無作為に1枚ずつ失う」というもの

研究会で参加者が体験したアクティビティは、7原則を達成するために重要な7つのスキルの1つ「共感性」について理解及び実感することを目的としたものです。YABCが中心となってセッションをすすめ、アクティビティの非日常的体験で得た感情や考えを参加者同士で共有し、最終的に実生活と結び付けることを目指しました。

YABCのピア・エデュケーターは、日本赤十字社本社主催のYABC研修会を修了しており、YABCのツールをファシリテートすることが出来ます。

参加者からは「短時間での体験でしたが、書類を見るのみより、理解が深まりました。」「YABCの有用性を認識しました。体も心も動かしながら7原則にかかわることを学べるツールなんだと感じました。」といった声が聞かれました。

これからの赤十字奉仕団

本研究会は、赤十字ボランティアにとって「ボランティア活動の充実」のためのきっかけに過ぎません。ボランティア主体の活動の拡充に向けて、全国の赤十字ボランティアは、今回の研究会で学んだ知識や体験をもとに、赤十字運動の推進者としてこれからも変わりゆく地域社会のニーズに取り組んでいく予定です。

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