令和8年熊本地震 避難所の生活環境改善の取り組み -被災された方々が少しでも体を休められるように-
令和8年7月28日に熊本県で発生した地震は甚大な被害をもたらし、現在も6,000人を超える方々が避難生活を余儀なくされています(8月10日時点)。
日本赤十字社(以下、日赤)は、発災直後から関係機関と緊密に連携し、医療救護班の派遣や救援物資の配布など、さまざまな支援活動を実施しています。
今回は、避難所での生活環境を改善するための取り組みとして、「安眠セット」の配布と「段ボールベッド」の設置についてご紹介します。
避難所の環境下でも眠れるように
自宅を離れ、普段とは異なる環境下での生活に加え、度重なる余震への不安も重なり、長期にわたる避難所生活は被災された方々に大きなストレスをもたらします。
日赤では、被災された方々が少しでも快適に休息できるよう、「安眠セット」を一人ひとりに配布しています。このセットには、広げると約2メートルになるキャンピングマットや、高さを調整できる空気式の枕のほか、アイマスク、スリッパ、耳栓、靴下など、睡眠環境を整えるための備品が入っています。また、夏の暑さにも配慮して、タオルケットも配布しています。

休息を支える安眠セット
避難生活をより安全に

段ボールベッドを設置する救護班
避難所の床に直接横になる生活を続けると、ほこりやちりを吸い込み体調不良を招くほか、立ち上がることが難しい方がトイレに行く回数を減らそうとして水分摂取を控え、脱水症状を引き起こす原因になることもあります。また、自由に体勢を変えにくいことから、血栓症(エコノミークラス症候群)のリスクが高まるなど、さまざまな健康上の問題が生じる恐れがあります。段ボールベッドは、軽量で組み立てや設置が簡単にでき、床面から一定の高さを確保することで、冷えや湿気を防ぎ、衛生的で快適な生活環境づくりに役立ちます。そのため、避難所生活での健康被害のリスク軽減にもつながっています。また、ベッド下には収納スペースがあり、被災された方が個人の持ち物を整理・保管できるようになっています。
被災地に届けられた段ボールベッドは、日赤の救護班をはじめとする関係団体が、行政機関などと連携・調整しながら、避難所への搬入や設置を支援しています。
「待っていました」と迎えられて
日赤本社救護・福祉部の水上職員は、発災から3日後の7月31日、ボランティアスタッフとともに、東京にある日赤看護大学の救護倉庫から、日赤熊本県支部へ安眠セット166箱(996セット)とタオルケット100箱(1,000枚)を搬出する作業を行いました。
その後、熊本県支部の支援要員として現地に派遣され、発災から5日目の8月2日に、特に甚大な被害のあった地域の一つである熊本県氷川町で、避難所となっている氷川中学校を訪問し、段ボールベッドの設置を支援しました。以下、水上職員からの報告です。
「避難所を訪れたとき、50人ほどの避難者の方々がおり、硬い床に毛布を一枚敷いて横になる人や、ブルーシートの上に枕だけを置いて休む人もいて、限られた寝具での生活を余儀なくされていました。そうした状況を少しでも改善できるよう、段ボールベッドの設置にあたってまず行ったのは、体育館や教室の広さを測り、配置図を作成することでした。避難されている方々に荷物の整理や移動をお願いし、清掃する必要があったため、丁寧に説明して、ご理解をいただきながら作業を進めました。支援に携わるさまざまな団体が連携・協力し、段ボールベッドの設置に取り組みました。1台の段ボールベッドの組み立てに掛かる時間は約5分で、事前準備を含め、避難所に登録されている人数に合わせた約80台の設置作業には、およそ1時間半を要しました。避難されている方々からは、「待っていました」という声が数多く寄せられ、設置作業を手伝ってくださる方もいらっしゃいました。皆さんの安心した表情を見てうれしく思うと同時に、一刻も早くより多くの方々に支援を届けなければならないという責任の重さを改めて感じました。今なお継続的な支援が必要な状況ですが、赤十字内外の関係者と連携しながら、全力で生活環境の改善にも取り組んでいこうと思います。」
救援物資を搬出する水上職員
日赤は今後も、被災された方々が一日も早く安心して暮らせる日常を取り戻せるよう、引き続き支援活動に取り組んでまいります。
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