― 赤十字防災セミナー、令和6年度は約84,000人が受講 ―
防災意識の高まりとセミナーの広がり
令和6年度、日本赤十字社では全国で約1,700回の「赤十字防災セミナー」を開催し、約84,000人の方々が受講しました。
これらの数字は昨年度から大幅に増加しており、各地で防災意識の高まっていることがうかがえます。
近年、地震や豪雨などの自然災害が頻発する中、「自分のいのちは自分で守る」「地域で助け合う」といった意識が、全国的に広がりを見せています。
東日本大震災の教訓を未来へ
日本赤十字社が防災・減災に取り組む背景には、東日本大震災での深い教訓があります。
日本赤十字社は、発災直後から約半年間にわたり、延べ900班におよぶ医療救護班を被災地に派遣し、全力をあげて災害対応を行いました。
しかし、死者の約9割が発災と同時に津波によっていのちを落とし、私たちが駆けつけたときにはすでに多くの尊いいのちが失われていました。
この現実を受けて、「災害後に駆けつける」支援だけでなく、人々が自らいのちを守る力を持つことの大切さに改めて気づかされました。
「災害前に救えるいのちを救う」ために ― 赤十字防災セミナーの誕生 ―
この教訓から、「自助」や「共助」の力を育みながら、「公助」とも連携して災害への備えを広げていく取り組みとして、平成29年度に「赤十字防災セミナー」の全国展開を開始しました。
全国展開に向けた研修会の様子①
全国展開に向けた研修会の様子②
セミナーでは、災害発生前にいのちを守るための知識や技術を学べるよう、当初は4つのカリキュラムを開発、令和5年度に3つ追加し、年齢や地域事情、対象に応じて、誰もが学びやすい内容をそろえています。

災害への備え ・ おうちのキケン

ひなんじょ たいけん
赤十字防災セミナーが目指すもの
赤十字防災セミナーは、単に防災知識を学ぶ場にとどまりません。
地域の一人ひとりが「自分ゴト」として防災に向き合い行動を起こし、地域全体の力を高めていくことを大切にしているため、セミナーでは講義だけでなく、対話や参加を重視したコミュニケーション手法を取り入れています。
地域住民が、セミナーをきっかけに地域の課題に気づき、支え合い、誰も取り残さないやさしい共同体へと変わっていく。それが、赤十字防災セミナーの目指す姿です。

日赤埼玉県支部(災害図上訓練(DIG)の様子)

沖縄県支部(ひなんじょ たいけんの様子)
お問い合わせ
赤十字防災セミナーの開催に関するご相談・ご質問は、お住まいの地域の各都道府県支部までお気軽にお問い合わせください。
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