やさしさや感謝の気持ちを胸に、旅立つ卒園児(釧路さかえ保育園)
暖かくなってきて、春の訪れを感じる3月。
日本赤十字社の保育園に、卒園シーズンがやってきました。出会いと別れの季節は、子どもたち一人一人の成長を実感する季節でもあります。
今回は、日本赤十字社釧路さかえ保育園(以下、「さかえ保育園」)で卒園を迎えた年長児の姿と、その成長を見守ってきた職員の思いを紹介いたします。
■クラスのみんなで楽しんだ、最後のお別れ遠足
さかえ保育園では、クラスでの楽しい思い出づくりとして、年長児と担任の先生がお別れ遠足に出かけます。行き先は、雪原の中を蒸気機関車で走る『SL冬の湿原号』。「釧路ならではの体験をさせてあげたい」という職員の思いから、毎年恒例の遠足となっています。
初めて目にする大きな蒸気機関車に、乗車前からワクワクが止まらない子どもたち。列車の中では、みんなでおしゃべりをしたり、「鶴を見つけたら3ポイント、鹿は1ポイント!」とエゾ鹿やタンチョウを探したり、楽しい時間が続きました。初めての体験がいっぱいの遠足に、帰りはみんなぐっすり眠ってしまうほど、大満足の様子でした。
遠足中、SLの汽笛と真っ黒い煙に驚いて、思わず泣いてしまう子もいましたが、すぐに「大丈夫だよ」と声をかける、多くの子どもたちの姿がありました。また、先生のおやつがないことに気づき、「先生も一緒に食べよう」と分けてくれる場面も。楽しい遠足のひとときの中で、相手を思いやり、そっと手を差し伸べる姿が見られ、子どもたちの頼もしさと、成長を感じる一日となりました。

だるまストーブ(石炭ストーブ)で焼いたスルメ。みんなで食べるといつもよりおいしいね。

迫力満点のかっこいい機関車と記念撮影。心に残る、特別な思い出になりました。
■ありがとうの気持ちを伝えるお別れ会

「きたきた!」とお兄さんお姉さんの登場をうれしそうに迎える年少・年中の子どもたち。

調理員の思いが詰まった給食に「僕の大好きな唐揚げだ!」と指さして大喜び。
楽しい遠足の後は、在園児と一緒に遊び、感謝を伝え合うお別れ会が開かれました。
在園児がつくった花道をくぐり、卒園児が入場します。「どんな会になるのかな?」と少しドキドキしながらも誇らしげな表情。在園児から「たくさん遊んでくれてありがとう」という言葉とともに、年中の子どもたちが手作りした、卒園式で使うコサージュが贈られました。その後は、在園児と一緒に思い出を振り返るクイズなどの遊びをめいっぱい楽しみました。
お別れ会の締めくくりは、子どもたちが楽しみにしていた給食の時間。さかえ保育園では食育に力を入れ、行事に合わせた、子どもたちに人気のキャラクターごはんや、月に一度のご当地メニュー、手作りのおやつなどを通して、楽しくおいしく食べてもらうことを大切に、調理員は工夫を重ねて給食を作ってきました。
この日はたくさん食べて大きく成長した卒園児をお祝いし、子どもたちの人気投票で選ばれたメニューが並ぶスペシャルバイキングを開きました。「いつもおいしい給食を作ってくれてありがとう」の言葉と、幸せそうな子どもたちの笑顔に、調理員も思わず笑顔になりました。
ありがとうの気持ちがあふれる、あたたかな時間となりました。
■旅立ちのとき 卒園式
「ありがとうございます」と堂々とした声で、園長から卒園証書を受け取ります。
ついに、お世話になった保育園を旅立つときがきました。在園児から贈られたコサージュを胸に、保護者と職員が見守る中、卒園式が始まりました。少し緊張した表情ながらも、背筋を伸ばして入場する卒園児たち。その姿は、入園した頃からは想像できないほど、たくましく感じられました。
名前を呼ばれ、一人一人園長から卒園証書を受け取った後、「テストで100点を取りたい!」「水泳を頑張りたい!」と小学校で頑張りたいことを発表します。大きな声で、まっすぐ伝える子どもたちの姿からは、これから始まる新生活への期待が伝わってきました。
そして、いつも見守ってくれたお父さんお母さんへ、感謝の言葉とお花をプレゼントします。「おいしいごはんを作ってくれてありがとう」「いつも保育園の送り迎えをしてくれてありがとう」との言葉に、これまでの日々が思い出され、立派に成長したわが子の姿に涙ぐむ保護者の姿がありました。
保護者と同じように、長い時間を子どもたちと過ごしてきた職員にとっても、「大きくなったね」と子どもたちの成長をうれしく思う気持ちと巣立っていくさみしさで、胸が熱くなる感動的な卒園式となりました。
■やさしい心をもった子になってほしいという願いを込めて
巣立っていった子どもたちに、どんなことを願うのか、園長に話を聞きました。
「さかえ保育園は“さかえ・つよいこ・やさしいこ”という理念のもと、赤十字の保育園として博愛精神を大切にした保育を行ってきました。
特に、保育園生活の中で大事にしたのは、困っている人に気づき、そっと手を差し伸べられるやさしさを身につけてもらうことです。小学校でも、保育園同様、年齢の違う子と過ごすこともあると思います。小さい子が泣いていたら、「どうしたの?」と声をかけてあげる、先生が大変そうだったら「お手伝いするよ」の一言が伝えられる子になってほしいと願っています。
そして同じように、自分が困ったときには、周りに「助けて」と言えることも、とても大切だと思っています。先生たちは、卒園してからも、いつまでもみんなの味方です。」
さかえ保育園での生活で育まれた、やさしさや感謝の気持ちを胸に、子どもたちはそれぞれの一歩を踏み出していきました。
大好きな先生たちと。人を大事にするすてきな小学生になることを願っています。
保育園をはじめとした日本赤十字社の児童福祉施設では、これからも、子どもたちがのびやかに成長できる環境の中で、自分も相手も大切にできる「思いやりの心」が育まれるよう、赤十字の理念に基づいた保育・支援を続けていきます。
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