【速報3】ネパール洪水:日本赤十字社はIFRC保健医療コーディネーターを現地へ派遣
2026年8月26日朝(現地時間)にネパールと中国の国境沿いで発生した大規模な洪水と土石流により、これまでに死者1,342人、行方不明者4,996人、治療中の負傷者6,083人が報告されています。また、約3,900人が避難所での生活を余儀なくされています(9月6日時点、ネパール国家防災管理庁)。
このたび、日本赤十字社は、ネパールの洪水被災者支援のため、国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)の要請に基づき、被災地の保健医療ニーズを把握し支援を行うため、保健医療コーディネーター1名を緊急対応要員として本日9月7日に派遣しました。
洪水により数メートルの土砂に埋まった自宅や商店を掘り起こし、家財の回収や行方不明となった家族の捜索を続ける住民たち(ネパール・ヌワコット郡)©NRCS
深刻な被害と続く人道ニーズ
被災地では、41本の橋が流失し、道路や通信、電力などのインフラにも大きな被害が発生しています。一部地域では現在も道路が寸断されており、救援物資の搬送に影響しています。
特に甚大な被害を受けたラスワ郡やダディン郡の遠隔地への支援は、ヘリコプターによる空輸で行われています。
【動画】(1分50秒)ヌワコット郡で行方不明の母親の行方を探すビシュヌさん©IFRC
また、避難所の過密化や安全な飲料水・衛生設備の不足により、公衆衛生上のリスクが高まっています。被災地では約6万5,000人が緊急の給水や衛生支援を必要としており、外傷患者や慢性疾患患者への医療提供、妊産婦保健サービスの維持、感染症対策、被災者や遺族への心理社会的支援(こころのケア)が重要な課題となっています。
ネパール赤十字社による救援活動
ネパール赤十字社(以下、ネパール赤)は、職員やボランティアを動員し、応急手当、保健医療支援、給水・衛生活動、救援物資の配付、安否確認や家族再会支援(RFL: Restoring Family Links)などの救援活動を継続しています。
安否確認支援では、ホットラインやSNSを通じて116件の安否確認照会を受け付けるとともに、被災地にRFL窓口を設置しています。また、政府からの要請を受けて治安当局へ1,930枚の遺体袋を提供し、遺体の尊厳ある管理や身元確認を支援しています。
保健医療分野では、避難所や遺体安置所で心理社会的支援を実施しており、少なくとも65人の被災者や遺族が支援を受けています。停電や通信障害が続くラスワ郡では、ネパール赤とIFRCが発電機を設置し、被災者向けに携帯電話の無料充電サービスを提供しました。約150人が利用し、家族や親族との連絡再開につながっています。
現在も避難所では清掃用品や衛生設備、調理用燃料などの不足が報告されており、緊急支援とともに中長期的な復旧・復興支援が求められています。
停電が続く中、ネパール赤が設置した発電機を利用して携帯電話を充電する人びと©NRCS
被災者に寄り添いPFA(心理的応急処置)を行うネパール赤ボランティア©NRCS
国際赤十字による支援
IFRCは、ネパール赤や各国赤十字社と連携し、保健医療、給水・衛生、ロジスティクス、情報管理などの分野で専門家を派遣し、ネパール赤が行う救援活動を支援しています。
また、赤十字国際委員会(ICRC)は、行方不明者の安否確認や家族再会支援、遺体の尊厳ある管理に関する支援を行っています。
日本赤十字社は、IFRCの緊急救援アピールへの資金援助に加え、保健医療コーディネーター1名を現地へ派遣しました。派遣される要員は、被災地の保健医療ニーズを把握するとともに、ネパール赤や保健当局、WHO(世界保健機関)などの関係機関との調整を行い、保健医療分野における支援活動全体の調整や戦略策定を担う予定です。
洪水の被災地で、女性や女児向けのディグニティ(尊厳)キット(生理用品など)を配付するネパール赤のボランティア©NRCS
「2026年ネパール洪水救援金」
受付期間:令和8(2026)年9月3日(木)~令和8(2026)年11月30日(月)
使途:国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)、赤十字国際委員会(ICRC)、ネパール赤十字社および日本赤十字社が行う、被災者への救援・復興支援活動および防災・減災活動などに充てられます。