【速報5】ベネズエラ地震:悲しみを抱えながらも、人びとを支え続ける赤十字ボランティアたち

 現地時間2026年6月24日にベネズエラ北中部で発生した大地震から2週間が経過しました。被災地では懸命な捜索・救護活動が続けられ、これまでに6,400人以上が救出されています。一方で、死者は少なくとも3,342人、負傷者は1万6,700人以上に上り、17,300人以上が住居を失いました(7月4日時点、国連発表[1])。
 今も多くの人びとが避難生活を続ける中、被災者に寄り添い続けているのがベネズエラ赤十字社(以下、ベネズエラ赤)の職員やボランティアです。彼ら自身も被災者であるにもかかわらず、世界各国の赤十字・赤新月社の仲間とともに、人びとの命と暮らしを守るための活動を続けています。

[1] Situation Report No.12_Earthquakes in Venezuela_5 July 2026 OCHA

画像 国内各地から集まった赤十字の仲間や、世界各国から派遣された赤十字チームが途切れることなく負傷者への対応にあたっている©VRC

「それでも支援を続ける」-医師たちの決意

luis-lamus-600x600.jpgラ・グアイラ州に設置されたベネズエラ赤の仮設病院で活動する医師のルイス・ラムスさん©IFRC

 地震発生直後から負傷者の治療に当たるベネズエラ赤の医師、ルイス・ラムスさんは、被災地の現状について次のように語ります。
 「被災者の数があまりにも多く、すべての人を助けることはできません。そのもどかしさやストレスは大きなものです。家族や友人が被害に遭っているかもしれません。それでも私たちは内なる力を振り絞りながら支援を続け、この困難を乗り越えようとしています。」
 被災地では、頭部外傷や圧挫傷(あつざしょう)、脱水症状などの患者が後を絶ちません。また、家族を捜してがれきの中を歩き回る人びとのうちには、粉じんを吸い込んで、呼吸器症状を訴える人も見られます。

身体の傷だけではない、心の傷に向き合う医療者たち

 地震発生後、連日負傷者の治療を続けている整形外科医のアントニオ・フェレイラさんにとって、最も重いのは身体の傷ではありません。
 「患者の話を聞き、失ったものの大きさを目の当たりにすると、何と言葉をかければよいのか分かりません。」
 診察に訪れるのは、逃げ遅れた子どもや高齢者が中心です。家族を失った悲しみや将来への不安を抱える人びとに寄り添いながら、医療支援が続けられています。

 アントニオさんが忘れられないのは、ある消防士との出会いです。その消防士は、倒壊した建物から多くの人を救い出す中で負傷しました。しかし、自分の家族を救うことはできなかったといいます。
 「対応方法も避難方法も知っていた。それでも自分の家族を救えなかったのです。」
 支援する側もまた被災者であり、大切な人を失った悲しみを抱えています。それでも彼らは、苦しむ人びとのために活動を続けています。

antonio-ferreira-595x595.jpgベネズエラ赤でボランティアとして21年間活動する整形外科医のアントニオ・フェレイラさん©IFRC

画像 被災地での救援活動は極めて過酷な環境下で続けられており、生存者だけでなく救助にあたる人びとにも脱水や極度の疲労をもたらしている。©IFRC

希望をつないだ奇跡の救出

 こうした中、7月2日には被災地に希望をもたらす出来事がありました。
 ベネズエラ赤と7か国の捜索救助隊が協力して、4日間昼夜を問わず救助活動を続けた結果、がれきの下に閉じ込められていた男性が救出されました。この救助活動は、多くの隊員が「これまでで最も困難な任務」と語るほど複雑なものでした。
 現場近くには、男性の家族が祈るような思いで救出を待ち続けていました。長い時間が経っても諦めず、救出の瞬間を信じ続けた家族。その傍らには、赤十字のスタッフが寄り添い続けていました。
 この救出劇は、国境を越えた連携と、人命救助をあきらめない強い意志が実を結んだ、象徴的な出来事となりました。

画像 赤十字の使命を胸に、被災地で懸命に捜索・救助活動を続ける赤十字の救助隊©Costa Rican Red Cross

助けを求める人がいる限り、赤十字の支援は続く

 現在も多くの人びとが避難所や広場、スポーツ施設などで避難生活を続けています。住まいを失った人びとへのシェルター支援や保健医療支援、こころのケアなど、必要とされる支援は長期にわたる見込みです。
 日本赤十字社は、ベネズエラ赤による救援活動を支えるため、国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)の緊急救援アピールへの資金援助を行っていますが、IFRCや赤十字国際委員会(ICRC)、スペイン、ドイツ、コロンビア、コスタリカなど世界各国の赤十字社も捜索・救助や心のケアを含む保健医療支援、給水・衛生などの専門チームや資機材を現地に派遣しています。このアピールの支援計画に基づき、被災地には防水シートや毛布、衛生キットなどの救援物資が届けられています。しかし、今なお多くの人びとが支援を必要としており、国際的な支援が続けられています。
 ベネズエラ赤のボランティアの中には、自分の家族や友人を亡くした人もいます。それでも彼らは、「助けを求める人がいる限り支援を続ける」と現場に立ち続けています。
 大地震によって、多くの命や暮らし、そしてかけがえのない日常が失われました。しかし、その一方で人びとを支えようと立ち上がるボランティアたちの献身と、国境を越えた赤十字ネットワークの連帯が、被災地に希望を届け続けています。

画像 地震で被災したカラカスの人びとへ、衛生キットや清掃用品、給水容器などの救援物資を配付するベネズエラ赤十字社©VRC

 日本赤十字社は、今後もベネズエラ赤をはじめ、IFRC、ICRC、各国赤十字・赤新月社と連携しながら、被災地のニーズに寄り添った支援を続けていきます。また、現地の状況や支援活動の様子についても引き続きお伝えします。
 助けを必要とする人がいる限り、赤十字の支援は続きます。皆さまの温かいご支援とご協力を、どうぞよろしくお願いいたします。

2026年ベネズエラ地震救援金

受付期間:令和8(2026)年6月30日(火)~令和8(2026)年9月30日(水)
使途:国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)、赤十字国際委員会(ICRC)、ベネズエラ赤十字社、および日本赤十字社が行う、被災者への救援・復興支援活動および防災・減災活動などに充てられます。

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