【速報3】イラン及び周辺国人道危機:民間人へ広がる被害、日本赤十字社はイランでの救援活動に1,000万円の資金援助を実施

 中東地域で戦闘が激化する中、イラン、イスラエル、レバノンをはじめとする各地で、民間人が深刻な被害を受けています。住宅や学校、病院などの民間インフラにも被害が及び、死傷者が増加するなど、人びとの生活と安全が大きく脅かされています。
 こうした状況に対して、国際赤十字は強い懸念を表明するとともに、各国の赤十字・赤新月社と連携しながら、人びとのいのちと尊厳を守るため、現地での救援活動を強化しています。日本赤十字社(以下、日赤)は、イランにおける赤十字・赤新月の救援活動を支援するため、国際赤十字・赤新月社連盟(以下、連盟)が発出した緊急救援アピールへ1,000万円の資金援助を行いました。

イラン赤新月社

 イラン赤新月社は、全国529支部を通じて緊急対応を続けています。これまでに2,100の対応チーム、6,500人以上が現場で活動し、3,500人を捜索・救助、3,100人以上に応急手当を提供しました(3月6日時点)。また、同社の心理社会的支援のホットラインには、24,000件の相談が寄せられています。

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がれきの中で続くイラン赤新月社の懸命な救助活動©IRCS

イスラエル・ダビデの赤盾社

 イスラエルでは、イスラエル・ダビデの赤盾社が全国で救急搬送などの緊急医療活動を続け、職員とボランティアが24時間態勢で緊急対応にあたっています。これまでに、1,108人に対して医療対応を行いました(3月15日時点)。

20260318-3bda62005a53710ee30f161a421e3c7dccc74158.jpeg複数の通報地点へ駆け付けて捜索・救助活動を行うイスラエル・ダビデの赤盾社©MDA

レバノン赤十字社

 レバノン赤十字社は、全国32支部を通じて、約400人の職員と12,000人のボランティアを動員し、緊急対応を続けています。これまでに、900件を超える救急医療チームの出動を行い、巡回診療や医療施設での診療、医薬品の配付を実施しました(3月10日時点)。さらに、避難民や被災された世帯に対し、食料やシェルター関連物資の配付も行い、避難者と受け入れ地域の双方を支えています。

20260318-6d53dd303265c7e4ebf8cdb115be68fb40205b4e.jpeg緊迫した現場で、負傷者を病院へ搬送するレバノン赤十字社©LRC


 ICRCイラン代表部のビンセント・カサード首席代表は、「通常であればこの時期は、イランの新年であるノウルーズを祝うために全国で人びとが沸き立ちます。しかし今年は、家族が葬儀のために集まっているのです」と語り、現地の様子を次のように報告しています。「今私が目撃しているのは、昨今の戦闘の激化で窮地に追い込まれたイランの人びとの多大な苦しみです。自分の命だけでなく、愛する人たちの安全や生計を案じているのです。(中略)民間インフラも被害を受け、多くの住宅が戦闘によって損壊しています。首都テヘランの日常は混乱を極め、子どもたちは学校に通えず、多くの企業は継続する空爆を警戒して一時休業しています。」ICRCは、関係当局やイラン赤新月社と連携し、紛争の影響を受けた人びとのニーズに対応するため人道支援の規模を拡大しています。

英語原文はこちら

国際赤十字による共同声明 「紛争地で続く人道支援要員殺害への強い憤り」

 国際人道法では、赤十字・赤新月マークをつけた人やモノは、攻撃の対象としてはならないと定められています。赤十字が戦地においても人道支援活動を展開し、最も支援を必要とする人に援助を届けることができるのは、国際人道法が赤十字を含む医療・人道支援従事者を保護するとともに、その救援活動を許可し円滑に実施されることを紛争当事者に義務付けているからです。しかし現在も中東各地では、この国際人道法の原則が十分に尊重されていない状況が続いています。

 こうした状況を受け、連盟のケイト・フォーブス会長と、ICRCのミリアナ・スポリアリッチ総裁は、3月13日、共同声明を発表しました。国際赤十字は、中東各地で戦闘が激化する中、人道支援要員や医療要員が戦火に巻き込まれ、民間人が生き延びるために不可欠な支援の命綱が深刻な危険にさらされていることを強く懸念し、国家およびすべての紛争当事者に対し、国際人道法を遵守し、命を救うためにすべてを賭して活動する人道支援要員を守るため、直ちに具体的かつ実効的な措置を講じることを強く訴えています。

 最前線では現在もイラン赤新月社、イスラエル・ダビデの赤盾社、レバノン赤十字社をはじめ、連盟、ICRCおよび各国赤十字・赤新月社の職員などが懸命な救援活動を行っています。人道的ニーズは高まるばかりで、国際社会による継続的な支援が必要です
 日本赤十字社は国際赤十字と連携して、人びとに寄り添いながら支援を続けていきます。皆さまからの温かいご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

「イラン及び周辺国人道危機救援金」

受付期間:令和8年3月16日(月)~令和8年5月29日(金)
使途:連盟、ICRC、各国赤十字社・赤新月社および日本赤十字社が中立・公平・独立の立場を堅持しながら行う、イランおよび紛争の影響を受ける周辺国その他の国々における被災された方への救援・復興支援活動などに充てられます。

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