【NHK海外たすけあい】【速報】東南アジアでサイクロンによる被害が発生 ~インドネシア、スリランカ等で赤十字は救援活動を開始~

インドネシアの被害概要

マラッカ海峡付近で発生したサイクロン「センヤール」の影響により、1123日以降、インドネシア北西部のスマトラ島は豪雨と強風に見舞われ、アチェ州、北スマトラ州、西スマトラ州で洪水や土砂災害が発生しました。当局によると、12月1日までに死者は502人、行方不明者は508人に上り、約29万人以上が避難しています。また、18千棟以上の家屋、88校の教育施設にも被害が及んでいます。アチェ州では、広範囲にわたる燃料不足、食糧不足、停電、浸水が続いているほか、北スマトラ州では、洪水水位が最大5メートルに達し、がれきや泥が救助活動の妨げとなっています。被災した州の当局は1126日から14日間の非常事態宣言を発出しています。

スリランカの被害概要

サイクロン「ディトワ」は1126日にスリランカを直撃、暴風雨の影響により、スリランカ全土の25地区で深刻な被害をもたらしています。当局によると、1130日までの死者は330人、約14万人が避難し、200人以上が依然行方不明、家屋の倒壊も2万戸以上に上ります。送電線の断線や浄水施設の浸水により、国内の約3分の1で電力・飲料水の供給停止状態が続いてるほか、主要道路が遮断や橋の流失により、救援物資の配付が妨げられ、遠隔地のコミュニティが孤立しています。1129日にスリランカ政府は全土に非常事態宣言を発出しました。

20251202-5445a33b635f0f55bb2172c16ae8b5301f4fec00.jpg    浸水した地域で支援活動を行うスリランカ赤十字社の職員©Sri Lanka Red Cross

■各国赤十字社の対応

インドネシア赤十字社

インドネシア赤十字社は、アチェ、北スマトラ、西スマトラにおいて270人の職員・ボランティアを動員し、被害状況の確認と避難支援を行うほか、応急手当や救急車サービス、水・衛生支援、炊き出し活動、浄水10,000リットルの配付、食料品や毛布、シーツ、衣類やベビー用品などの物資を被災された方に届けています(12月1日時点)。

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アチェに送られた赤十字の支援物資©Indonesian Red Cross Society

スリランカ赤十字社

スリランカ赤十字社は3,500人以上の職員・ボランティアを動員し、被災地区全域で被害状況の確認を行っており、ボランティアチームは被災者の応急手当を実施しています。また、飲料水、食料、衛生用品、タオル、シーツ、洗濯洗剤、乾いた衣類などの生活必需品の配付も開始し、被災された方に支援を行っています(12月1日時点)。

20251201-b7bcfa37acbf064e0f49ac9f8f2cba73b9caa872.jpeg傷の手当てをするスリランカ赤十字社職員©Sri Lanka Red Cross

その他、上記以外の国でも、東南アジア各地において豪雨被害が発生している中、国際赤十字・赤新月社連盟は、各国赤十字社と緊密に連携を取りながら、状況のモニタリングやニーズ把握を続けています。日本赤十字社も、国際赤十字と連携して、ニーズに応じて必要な支援の実施をして参ります。

日本赤十字社は、本日12月1日より「NHK海外たすけあい」キャンペーンを実施しています。このキャンペーンでお寄せいただいたご寄付は、世界各地で発生する自然災害などで苦しんでいる人びとのために使われます。皆さまのご支援・ご協力を、どうぞよろしくお願いいたします。

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