【速報】台風18号(ラガサ)が台湾および中国南部に接近し各地で深刻な被害が発生、赤十字が各地で緊急支援
2025年9月22日から23日にかけて台湾南部に接近した超大型の台風18号(ラガサ)は、24日に香港を通過し、南シナ海北部で強い勢力を維持して中国広東省沿岸に接近し、中国南部を西に進んでいます。
台風に伴う大雨により、台湾東部の花蓮県では、馬太鞍渓(川)の上流にあるせき止め湖が決壊し、推定6,000万トンの水が下流へ押し寄せ、馬太鞍渓橋が崩壊、下流の地域では大規模な洪水が発生するなど深刻な被害が発生しました。現地当局は死者14名、負傷者84名、行方不明者31名と発表しています。また、フィリピン北部のカガヤン州では、巨大な波と強風に襲われた漁船が転覆し、7名の漁師が死亡し、加えて少なくとも3名が死亡したと伝えられています。(9月25日現在)
台湾の花蓮県は2024年4月の台湾東部沖地震で大きな被害を受け、現在も復興活動が進められている中で新たな被害が発生しました。

捜索・救助活動を行う台湾赤十字組織スタッフ©台湾赤十字組織
■赤十字が迅速な救助・救援活動などを展開
台湾赤十字組織は直ちに緊急対応を開始し、花蓮県に駐在する救助隊員15名を迅速に被災地へ派遣しました。また、台北からも職員と水難救助ボランティア7名を2台のモーターボートと共に花蓮県へ派遣し、救援活動を強化しています。救命活動に加え、救援物資の供給も開始しており、9月23日には緊急避難所となっている小学校に寝袋100枚、衛生キット66セット、毛布200枚を届け、別の避難所へも寝袋160枚、衛生キット60セットを届けて、避難している被災者のニーズに対応しています。

水難救助ボランティアチームがモーターボートを携えて台北から
花蓮へ急行©台湾赤十字組織

早い段階で現場に急行し、災害に巻き込まれた人々を救助
©台湾赤十字組織
中国では、台風により南部広東省で約190万人が避難し、十数都市で学校、工場、交通機関が停止しました。中国紅十字会は広東省の各支部が連携し、折りたたみベッド100台、蚊帳100枚、家族用キット100セットを含む緊急支援物資などを避難所などに配送しました。その他、各市においては、水害対応チームや救助隊員を待機させ、ボートや救命胴衣などの救援装備を点検・補充し、緊急対応態勢を整えています。
香港では、台風の強風により数百本の樹木が倒れ、少なくとも80人が負傷しました。中国紅十字会香港支部も台風接近に伴い、地域防災レジリエンスチームを動員して、住民が風水害に備えるための土のう200袋や救援キット200個を配布しました。また、自治体とも連携して、設置された避難所に救急ステーションを設置し、応急処置や避難者の健康管理を行っています。
赤十字は、台風の影響を受けた各地で住民や被災者の安全確保に全力を尽くし、救援活動を着実に進めています。日本赤十字社も、現地の状況を把握しながら、関係機関と緊密に連携してまいります。