【速報4】アフガニスタン地震:日赤から2,000万円の資金援助を決定

 8月31日に発生した地震被害はアフガニスタンの人道危機にさらなる拍車をかけています。現地当局の発表によると、9月6日現在、死者は2,200人を超え、負傷者は少なくとも3,700人にのぼっています。

 地震に見舞われた東部の山岳地帯では、現在も捜索活動が続いていますが、9月5日にはマグニチュード5.6の余震が襲い、捜索・救助活動や人道支援物資の配付がさらに困難な状況となっています。これまでの地震により、20以上の医療施設が損壊しているとの報告もあり、現地の医療体制は極めてひっ迫した状態が続いています。

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上空からの被災地の様子©ARCS

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救援物資を被災地へ輸送©Mir Abdullah RasikhIFRC

 速報3でお伝えした通り、国際赤十字・赤新月社連盟(以下、連盟)は、アフガニスタン赤新月社の救援活動を支援するため、緊急救援アピールを発出し、赤十字内外に国際的な支援を要請しています。同アピールは被災地域における救援物資の配付や保健医療支援、給水・衛生支援、長期的な復興支援を見据えた今後2年間の活動に対して、約40億円の支援を呼びかけるものです。

 今回、日本赤十字社はこのアピールに対して2,000万円の資金援助を実施することを決定しました。

■現地での救援活動状況

 アフガニスタン赤新月社は、ヘリコプターによる僻地での救助活動や救急車による負傷者の搬送、搬送先の病院での治療に加え、これまでに13の巡回診療チームを派遣し、被災地での医療救護を行っています。また、アクセス確保のための道路のがれき撤去作業など、最前線での活動を続けています。

 9月2日からは、連盟や各国赤十字社・赤新月社の支援のもと、被災した人々に1日3,000食の温かい食事の提供を開始するなど、これまでに14,000人にこの食事の支援を届けました。また、クナール州に2,500人が収容できる避難所を設置し、続けて2,000張の追加テントを設置できるよう準備しています。この避難所では、男女別の居住エリアや診療所を整備し、誰もが安心して必要なケアを受けられるように医療サービスを提供するほか、安全な水やキッチンも備えられており、アフガニスタン赤新月社のスタッフやボランティアは住み込みで支援活動を行う計画です。アフガニスタンでは、特に保守的な地域において、女性や女児に支援を届けるためには、女性の人道支援スタッフの存在が欠かせません。巡回診療チームは、男女混合チームを編成し、女性の医療スタッフなどを含めることで、文化的配慮を保ちながら女性や女児を含む最もぜい弱な人々にも安全な医療支援を届けています。

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温かい食事を配付するアフガニスタン赤新月社スタッフ©ARCS

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女性スタッフによる巡回診療©Mr.Abdullah Rasikh/IFRC

■救援金を募集中

 日本赤十字社は「2025年アフガニスタン地震救援金」を募集しています。被災地ではアフガニスタン赤新月社、連盟およびICRCスタッフが懸命に活動を行っています。今後、現地のニーズに対して適切な支援を迅速に届けることができるよう、皆さまからの温かいご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

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