【速報11】ミャンマー地震: 継続するニーズに対し、日赤から緊急対応ユニット(ERU)を派遣
ミャンマー地震の被災地では、現地のミャンマー赤十字社による巡回診療が今も続いています。発災から1カ月の経過を目前に、外科的な治療へのニーズは薄れる一方、感染症や慢性疾患への対応が求められ、保健医療分野における亜急性期の活動や中長期的な支援を見据えた活動の展開が必要となっています。
これまで日本赤十字社(以下、日赤)は、最前線で展開するミャンマー赤十字社の活動に対し、各種調整にあたる職員の派遣のほか、資金および物資援助を含む側面支援を実施してきました。
今回、現地に入っている日赤職員および国際赤十字・赤新月社連盟(以下、連盟)の調整のもと、依然として対応に追われるミャンマー赤十字社の活動をさらに支援するため、感染症を専門とする医師や看護師、薬剤師、ロジスティクス要員からなる緊急対応ユニット(Emergency Response Unit=ERU)を派遣することとしました。
同医師らは、大阪赤十字病院および日本赤十字社和歌山医療センターから派遣され、本日(23日)から順次、日本を出発する予定です。派遣される職員は、本派遣について、「既に現地に入っている職員からは、さまざまな形でのニーズがあることを聞いている。ミャンマー赤十字社がこれまで続けてきた活動をしっかり支えたいと思う」など、意気込みを述べています。
今後は、既に被災地入りしている苫米地看護師をチームリーダーとし、ミャンマー赤十字社が行う巡回診療をサポートします。
派遣される職員たち。左から、ロジスティックス要員、看護師、薬剤師、医師。©JRCS
■現金給付支援で個人のニーズにより広く応える
現地のニーズや文脈に即した支援を行うため、ミャンマー赤十字社は国連機関などとも協力し被災地域での緊急ニーズ調査を実施しました。被災地域での市場機能は一部地域を除いておおむね回復しつつあること、防水シートなど一部の商品は品薄もしくは値上がり傾向があるものの、多くの日用品は市場に出回っていることなどが確認されました。これを受け、ミャンマー赤十字社は4月20日、21日の2日間にわたってサガイン内の7つの区域で現金給付支援を実施しました。1世帯当たり5万チャット(日本円でおよそ3,300円。500チャットで1リットルのミネラルウォーターが買えると言われています)、計915世帯の人びとがこの支援を受け取りました。
世帯の構成や暮らし方によって大きく異なる個人のニーズをより広くカバーし、少しでも震災以前の生活に近づけるよう、ベストな支援策が常に模索されています。
ミャンマー赤十字社がサガインで2日間にわたって行った現金給付支援の様子©MRCS
今後、日赤職員が現地に入り、中長期的な活動も視野に入れ、巡回診療支援を行ってまいります。引き続き、皆さまからの温かいご協力をよろしくお願いいたします。
「2025年ミャンマー地震救援金」
受付期間:2025年4月1日(火)~ 2025年6月30日(月)
使 途 :連盟、ICRC、ミャンマー赤十字社、タイ赤十字社および日赤が行う、ミャンマーおよびタイにおける救援・復興支援活動や防災・減災活動等に充てられます。