【速報9】ミャンマー地震: 日赤看護師がマンダレーで活動開始
ミャンマーでは現在も20万人近くが避難所などでの生活を余儀なくされています。下痢や赤痢の症状が報告され、今後さらなる感染症の流行も危惧されるなど、保健分野でのニーズは依然として高いままです。
このような状況を受け、日本赤十字社(以下、日赤)は4月14日に苫米地 則子 看護師(日本赤十字社医療センター 国際医療救援部副部長)をミャンマーに派遣しました。苫米地看護師は4月15日に被災した都市の一つであるマンダレーに到着し、現地の様子について次のとおり報告しています。
「ミャンマー赤十字社を中心とした赤十字の支援活動に関して、私が今のところアクセスできている地域については、そう大きな混乱は見られず、他団体とも協力し、心理社会的支援ニーズなどにも対応しています。今後はより広範な地域での状況確認を進める予定です。一方で、休みなく働いているミャンマー赤十字社の保健分野のスタッフなどからは、絶え間なく続く支援活動により、疲弊している様子も感じられます。」
今後、苫米地看護師はミャンマー赤十字社の活動をさらに後押ししつつ、国際赤十字全体での保健分野の活動計画の策定や調整を行う予定です。
日赤としても、追加の医療従事者の派遣について調整および協議を進めており、引き続き赤十字国際ニュースなどを通じて続報をお伝えいたします。
マンダレーに到着した日赤看護師(一番右)。発災以降、ミャンマー赤十字社職員からの情報収集や今後の活動についての協議などを継続している。©JRCS/MRCS/IFRC
■ミャンマー赤十字社は最前線で活動を継続
モン州やエーヤワディー管区など被災地域外からもミャンマー赤十字社のボランティアや職員が駆けつけ、切れ目のない支援が続けられています。水や食料、防水シートなどの救援物資の配付、不調を訴える方々への診療や衛生講習の実施など、下表の内容に限らない多岐にわたる活動を展開しています。
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498人のミャンマー赤十字社ボランティアが最前線で活動。 | ![]() |
1日に最低5,000リットルを供給できる浄水ユニットを3つ稼働、22,000人以上にサービスを提供。 |
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3チームの巡回診療が活動を継続、1,905人に治療を提供。 | ![]() |
1,656世帯(7,400人以上)に救援物資を配付。 |
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被災者1,000人以上に対して応急手当や病院への搬送、捜索・救助などのサービスを提供。 | ![]() |
赤十字内外のパートナーと協力し、被災地でのニーズ調査を継続。 |
(上表内の数字はすべて4月10日現在)
巡回診療の様子はSNSなどでも発信されており、以下の動画からご覧いただけます。
また、ミャンマー赤十字社をサポートするために、国際赤十字・赤新月社連盟(以下、連盟)や姉妹赤十字社も活動を続けています。日赤を含む24の赤十字・赤新月社が、各国内で救援金の募集を行っているほか、連盟の調整により、ミャンマーに向けてこれまでおよそ150トンの救援物資が届けられました。人的支援の調整も続いており、日赤から看護師を派遣したように、各国から給水・衛生、こころのケア、物流など、さまざまな分野のスペシャリストが続々と現地に入っています。
■引き続き、温かいご支援をよろしくお願いいたします
例年、ミャンマーではこの時期、新年を祝う「水かけ祭り」が催されます。南部のヤンゴンなどではお祭りのための飾り付けが見られる場所もあるようですが、被災地域では引き続き多くの方が屋外の避難生活を余儀なくされており、体やこころに傷を負った方々のためには懸命な支援活動が続けられています。
日本赤十字社では、ミャンマー赤十字社や連盟との連携を一層強化し、被災された方々に寄り添った支援を今後も継続してまいります。引き続き、皆さまからの温かいご支援をよろしくお願いいたします。
「2025年ミャンマー地震救援金」
受付期間:2025年4月1日(火)~ 2025年6月30日(月)
使 途 :連盟、ICRC、ミャンマー赤十字社、タイ赤十字社および日赤が行う、ミャンマーおよびタイにおける救援・復興支援活動や防災・減災活動等に充てられます。