シリーズ「モデル奉仕団」 群馬県高崎市赤十字奉仕団群馬分団と群馬県みなかみ町水上赤十字奉仕団

 「モデル奉仕団」とは、社会情勢の変化に即応して、より一層赤十字奉仕団活動の充実強化が期待されること受けて、昭和58年に実施要領を定めたものです。以来多くの奉仕団がモデル奉仕団として指定を受け、指定期間中、重点的に推進しようとする活動を行ってきました。

 その中から群馬県の2つの団の活動をご紹介します。

群馬県高崎市赤十字奉仕団群馬分団

 高崎市赤十字奉仕団群馬分団は、令和元年度にモデル奉仕団として活動しました。男性31名、女性206名の合計237名で活動している団です。年間を通じて、「愛育乳児園」で様々なボランティアを行っています。

 乳児院は、両親の死別・病気・離婚・未婚など様々な事情で育てていくのが難しいご家庭の乳児を心身健やかに養育している施設です。私たちは原則として第一火曜日の午前中に伺い、窓ガラス拭きや草取り、おむつ縫い等、赤ちゃんや専門職員のかたを支える活動を行っています。

 また別の社会福祉施設「はんな・さわらび療育園」での活動も行っています。ここは、重度の知的障害と肢体不自由が重複している児童を治療し、日常生活の指導をする施設で、病院でもあります。こちらでは、ガラス拭きや車椅子の清掃、落ち葉掃きなどの活動を行いました。

 その他にも、耐熱性のあるポリエチレン袋を使った炊飯や豚汁作りを行った炊き出し訓練や、地域の福祉イベントでの炊き出しのほかにも、「毛布で簡易ガウン作り体験」をしていただくなどの活動を通して、災害への備えにも力を入れています。

 年間を通して様々な活動を行っているなかでも、奉仕団員のスキルアップを目指して講習会も行っています。高崎市群馬福祉会館で行った救急法講習会の様子をご報告します。

 「三角巾を使った救急法講習会」と題して、団員66名が参加したこのイベントでは、日赤群馬県支部の指導員が講師となって、救急法について学びました。いざというときのために対応出来る救急法についての知識を持つことはとても大切です。身近にある三角巾を使用して行われるということも、今回の講習会参加へのハードルを低くする要因となり、多くの団員がともに学ぶことが出来ました。

 講習会の後には、元団員を講師に迎え、ヨガを楽しみ、当日の講習会は笑顔で終えることが出来ました。

 高崎市赤十字奉仕団群馬分団の活動はまだまだ続きます。

群馬県みなかみ町水上赤十字奉仕団

 みなかみ町水上赤十字奉仕団は、令和元年度にモデル奉仕団として活動しました。年間を通じて、「防災」に重点を置いた活動を行いました。

 みなかみ町社会福祉協議会で開催された地域ふれあいフェスティバルでは、13名の奉仕団員が防災意識の向上を目的として耐熱性のあるポリエチレン袋を使った炊き出し訓練を行いました。

 また、奉仕団員が自ら防災についての知識を増やし、今後の活動に生かすため、「群馬県消防学校」を訪問し、防災関係団体に対して行われている防災教育として、様々な体験を通して学びを深めました。

 消防学校長の講話を聴講した後、「煙体験」では、火災時のように煙が充満し、暗闇となった状態を体験。無害な体験用の煙ではありましたが、火災が起きた際の状況を体感し、恐怖を覚えました。また、「天ぷら油火災実験」では、天ぷら油火災の発生と、そこに水をかけた場合の火が飛び散る様子を見学。日頃なじみのある揚げ物で火災が発生したらどうなるか、実際に目の前で経験すると、テレビなどで見るものとは異なり、改めて火の取り扱いには注意が必要だということを実感しました。

 最後に行われた「起震車」を使用した地震体験では、最大震度7までの地震を体験できました。日本のみならず、世界中で大地震により多くの方々が被害を受けているという報道に接することがあったため、このような大きな地震が私たちの町を突然襲ってきたら・・・と考えると、改めて「いざという時」への備えが必要であることを強く感じました。

 いつおきるかもしれない災害をなくすことは不可能でも、自分には関係ないことだと思うか、「いざという時」の予測をすること、その準備や知識があることで、未来は大きく変わります。私たちが学んだことを地域の住民と共有し、知識を分かち合うことにより、引き続き、町全体の防災意識を高めることに取り組んでいきたいと考えています。

 みなかみ町水上赤十字奉仕団の取り組みはまだまだ続きます

 これまでのモデル奉仕団の記事について、またボランティアの活動については、こちらのページを御覧ください。