シリーズ「モデル奉仕団」 奈良県三宅町赤十字奉仕団

「モデル奉仕団」とは、社会情勢の変化に即応して、より一層赤十字奉仕団活動の充実強化が期待されること受けて、昭和58年に実施要領を定めたものです。以来多くの奉仕団がモデル奉仕団として指定を受け、指定期間中、重点的に推進しようとする活動を行ってきました。例えば、令和2年度は、15支部52奉仕団が指定を受け、活動を行っていました。
その中からいくつかをご紹介します。

奈良県三宅町赤十字奉仕団

奈良県三宅町は、人口6,654人、町の面積は4.06平方キロメートルで奈良県でいちばん小さい町です。三宅町は、聖徳太子ゆかりの町としても知られ、町の中央の南北には、「太子道」が走っており、太子にまつわる伝説が多く残っています。三宅町赤十字奉仕団の団員数は51人で活動しています。モデル奉仕団としては平成30年度から令和2年度の3年間指定され、活動しました。

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活動としては、「住民と共に学ぶ地域防災」をテーマに、奉仕団員が地域住民を対象に「女性学習会」を開催しました。

その一つ目は、消火器訓練です。消火器訓練というと、慣れている、またはこれまでやった経験があるという人が率先して参加するイメージが浮かびます。そこで今回は、消火器を持つという経験が少ないという地域の方々を対象に、消火器を実際に使用し、訓練に参加していただきました。身近にあっても実際に使用したことがない参加者もこの訓練で、慌てずに消火器を使うことができるようになりました。

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二つ目の活動が日本赤十字社が作成した「新型コロナウイルスの3つの顔を知ろう」の冊子とビデオを使い、新型コロナウイルスと感染症について学習しました。これは当初の計画では、「MY防災食!!」として、防災食を作って実食する予定でしたが、感染症拡大予防のため、内容を変更にしました。私たちの生活に突然現れた、新型コロナウイルスによる感染症は、世界中で感染の拡大が続き、不安な毎日が続いています。今回の勉強会で、新型コロナウイルスがもたらすものは何か、"負のスパイラル"を知り、感染症拡大をどう防ぐのかを学び、地域の皆さんと共有することができました。

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三つ目の活動は、団員それぞれが大切な家族、近所の皆さん、友人を守るために、手作りマスクを作成し、役場、幼稚園、社会福祉協議会に1,000枚以上寄贈したことです。これは、当初の計画にはなかったものですが、マスク不足が課題となっていた時期に、団員一人一人が、今、私たちができることは何かを、考え、実行したものでした。

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事業1年目の平成30年は、台風による洪水の被害があり、またその後は新型コロナウイルス感染症の影響もあり、計画していた活動は思うように実施することができませんでした。

特に、「一日赤十字」として65歳以上の一人暮らしの方を対象に、「防災時のこころえ」を知ってもらおうと計画していましたが、コロナ禍の中、参加者を募ることが難しく、中止となり大変残念でした。

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このような状況の中であっても、モデル奉仕団としての3年間、私達は、その時、その場面において、次善策を考え、行動できる範囲で活動していきました。

これからもリーダーと共に、奉仕団員が地域防災の意識向上を図り、常に情報を収集、学習しながら、前進していきたいと思います。

三宅町赤十字奉仕団の取り組みはまだまだ続きます。