赤十字防災セミナー新規カリキュラム「大雨・台風の避難スイッチ(仮)」体験会を開催
日本赤十字社では、10月9・10日および20・21日に「防災教育事業主任指導者研修」を開催しました。
本研修は、全国で実施する赤十字防災セミナーをより円滑に推進することを目的としており、今回は新規カリキュラム「大雨・台風の避難スイッチ(仮)」の体験会も実施しました。
研修会の様子①
新規カリキュラム開発の背景
近年の気候変動により、勢力の強い台風や線状降水帯の発生が増加しており、河川の氾濫による洪水・浸水や土砂災害のリスクも高まっています。
一方で、ハザードマップや避難情報が整備されているにもかかわらず、「まだ大丈夫」「自分のところは安全だろう」といった思い込み(認知バイアス)によって避難が遅れてしまうケースも少なくありません。
こうした課題を踏まえ、新規カリキュラム「大雨・台風の避難スイッチ(仮)」では、大雨や台風の危険を「自分ごと」としてとらえ、避難行動に移すきっかけ(スイッチ)を見つけることをねらいとしています。
研修会の様子②
主任指導者による体験と意見交換
研修では、各都道府県支部で防災教育の中心を担う「防災教育事業主任指導者」が参加し実際に新規カリキュラムを体験しながら、その魅力や改善点を検討しました。
参加者たちは、自分が住む地域の災害リスクをハザードマップで確認したり、大雨・台風時の避難行動を想定した個人ワークやグループワークに取り組みました。
グループでは「どんなときに避難を決断できるか」「逃げ遅れを防ぐために何が大切か」など、活発な意見交換が行われ、和やかな雰囲気の中にも真剣な議論が交わされました。
また、「まだ大丈夫」と思い込んでしまう心理特性や避難行動の阻害要因についても理解を深め、避難スイッチを押すためのヒントを探りました。
研修会の様子③
全国展開は来年4月から!
この新規カリキュラムは、令和8年4月からの全国展開を予定しています。
現在は、各都道府県支部でトライアル実施を進めており、より実践的で親しみやすい内容にブラッシュアップを行っています。
大雨や台風への備えを「自分ごと」として考えるきっかけをつくるため、引き続き新規カリキュラムの開発を進めてまいります。
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