一人ひとりの「楽しい」を支える大手前整肢学園の夏まつり

 季節は秋を迎えましたが、大阪赤十字病院附属大手前整肢学園(以下「大手前整肢学園」という。)では、この夏も恒例の夏まつりを開催しました。

■笑顔あふれる夏まつり

 大手前整肢学園では、障がいのある子どもや医療的ケアを必要とする子どもたちが生活しています。外出が難しい子どもたちに、夏のにぎわいや季節感を味わってもらおうと毎年開催している夏まつりは、子どもたちに大人気の行事の一つです。
 「おまつり、いつ?」「まだかな?」と職員に何度も尋ねるほど、子どもたちはこの日を心待ちにしていました。

 迎えた夏まつり当日。会場には紅白の幕が飾られ、にぎやかな夏まつりの音楽が流れます。画用紙で作られたゲームコーナーの看板が並び、はっぴ姿の職員たちも加わって、園全体がお祭りムード一色になりました。
 子どもたちは、職員が手作りしたストラックアウトやミニカーレースなどのゲームに大興奮。「あっちに行きたい」「これやりたい」と目を輝かせながら職員と一緒に園内を巡ります。普段から遊んでいるミニカーレースもこの日は夏まつり仕様の特別コース。苦戦する場面もありましたが何度も挑戦する姿が見られました。
 また、当日はご家族も参加し、ゲームの順番を待ちながら親子で会話を楽しんだり、一緒にゲームに挑んだりと和気あいあいとした時間が流れていました。
 園内には終始笑顔があふれ、夏まつりが終わった後も子どもたちは「たのしかったね」と繰り返し話してくれました。子どもたちやご家族、職員にとって、夏の思い出に残る一日となりました。

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箱の穴にボールを落とす「ゆらゆらゲーム」に挑戦!ボールが入ると嬉しそうな表情を見せてくれました

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ゴールの箱を目指して、ミニカーを発車!真剣な表情で見守っています

■一人ひとりに寄り添った工夫

 大手前整肢学園には、肢体に障がいのある子どもや、重症心身障がいがあり日常的に医療的ケアを必要とする子どもなどさまざまな子どもたちが暮らしており、できることや苦手なこと、必要な支援もそれぞれ異なっています。そのため、夏まつりでは、一人ひとりの状態や体調に合わせて無理なく参加し、楽しんでもらえるよう工夫を凝らしました。

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職員と力を合わせてストラックアウトに挑戦!

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大好きなキャラクターの登場に、笑顔がこぼれます

 例えば、ストラックアウトでは、ボールを投げることが難しくても参加できるよう、スポンジボールを発射して的を狙う方法を用意。
 また、的の位置を動かせるようにすることで、車いすやベッドを利用している子どもたちが、それぞれの姿勢や高さに合わせてゲームに挑戦できるようにしました。
 ボールが的に当たると、会場からは歓声があがり、子どもにも笑顔が広がりました。
 また、体調が優れず会場に来られない子どもには職員が着ぐるみを着て病室をサプライズ訪問。
 着ぐるみが現れると、目を輝かせる子もいれば、少し怖がる子も。職員は一人ひとりの反応を見ながら優しく声をかけ、園内のみんなが夏まつりを楽しめる時間をつくりました。
 着ぐるみの中はかなり暑く苦労もありましたが、喜ぶ子どもたちの姿を見て、職員は「準備して良かった」と感じたそうです。

 さらに、夏まつりのお菓子として用意した綿菓子には、味付きのカラーザラメを使用。経口摂取が難しい子どもたちにも、香りや色から夏まつりを感じてもらえるよう工夫しました。
 一人ひとりに寄り添いながら工夫を凝らした夏まつり。子どもたちに「楽しい」を届けたいという職員の温かな思いが、たくさんの笑顔につながりました。

■「楽しい」「やってみたい」を支える大手前整肢学園

 大手前整肢学園では、医師、看護師、リハビリテーション職、保育士、介護福祉士などが連携し、専門的な診療とリハビリテーションの提供、日々の保育・生活支援を行っています。また、併設する堺支援学校大手前分校と連携し、入園中の教育支援を行うなど、一丸となって子どもたちの生活と学びを支えています。
 日頃の支援で大切にしていることや大手前整肢学園が果たしている役割について、生活支援課長に話を聞きました。

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花火会で子どもと夏のひとときを過ごす生活支援課長

 「一人ひとりの気持ちやペースを大切にし、その人らしく安心して過ごせるよう支援することを心がけています。言葉で思いを伝えることが難しい子も、表情やしぐさで想いを伝えようとしてくれます。小さな反応を丁寧に受け止め、『楽しい』『やってみたい』という気持ちを汲み取り、日々の生活支援につなげたいと考えています。
 また、医療的な安全を守りながら、暮らしの中で楽しみや達成感を得られる機会をつくることも大切にしています。」

 日々の生活を支えるだけでなく、子どもたち一人ひとりの思いや可能性に寄り添い、その成長を支えていく。そうした職員の姿勢が、子どもたちが安心して暮らし、その子らしく成長していくことにつながっていきます。

 大手前整肢学園をはじめ、日本赤十字社の社会福祉施設では、これからも職員同士が連携し、それぞれの専門性を生かしながら一人ひとりに寄り添った赤十字らしい支援を続けていきます。