【速報9】ベネズエラ地震:被災地を支える赤十字の連帯

 現地時間2026年6月24日にベネズエラ北中部で発生した大規模地震から1カ月余りが経過しました。震源に近いラ・グアイラ州を中心に甚大な被害が広がり、これまでに死者は5,546人、負傷者は16,700人以上に上ります。また、2万4,000人以上が今なお避難生活を余儀なくされています(7月31日時点、国連発表[1])。
 このような被災地の状況下で活動を続ける一人であるのが、ベネズエラ赤十字社(以下、ベネズエラ赤)のボランティア、アルバニ・ロハスさんです。
[1] Situation Report No.31 Earthquake in Venezuela 31 July 2026 OCHA

画像 ベネズエラ赤のボランティア アルバニ・ロハスさん©VRC

 ロハスさんが赤十字と出会ったのは8年前。看護学生時代、ベネズエラ赤と看護大学が共催した救急法講習会への参加をきっかけに、ボランティア活動を始めました。
 「看護の知識を生かしながら、人を助けることができると思いました。」
 これまでさまざまな活動に携わってきたロハスさんですが、今回の地震対応で初めて、研修や教科書で学んできた赤十字の理念を現場で実感したといいます。

赤十字の原点と重なった「6月24日」

 今回の地震が発生したのは6月24日。実はこの日は、国際赤十字・赤新月運動の原点となった1859年のソルフェリーノの戦いの日でもあります。
 当時、戦場には多くの負傷兵が取り残され、スイスの実業家のアンリー・デュナンはその惨状を目の当たりにします。デュナンは地域住民、とりわけ女性たちとともに、敵味方の区別なく負傷者を助けました。そのときに人びとが口にした言葉が、Tutti fratelli(人は、みな兄弟である)」です。この精神がのちの国際赤十字運動につながりました。
 ロハスさんは、この偶然に、赤十字の理念との深いつながりを感じたと語ります。
 「赤十字の精神は歴史の中だけにあるものではなく、今も私たちの活動の中で生きていると感じました。」

世界中から届いた連帯

 地震発生直後から、世界各地の赤十字社、赤新月社がベネズエラへの支援を開始しました。国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)は災害救援緊急基金(DREF)から200万スイスフラン(約4億円)を拠出するとともに、5,000万スイスフラン(約100億円)の緊急救援アピールを発出し、日本赤十字社を含む各国赤十字社、赤新月社や各国政府などからの資金援助等により、これまでに約1,250万スイスフラン(約25億円)が寄せられています。また、30を超える国々から救助・支援チームが現地入りし、現在では40の赤十字社、赤新月社がさまざまな形で支援に参加しています。
 ベネズエラ赤は、IFRCや赤十字国際委員会(ICRC)、各国赤十字社、赤新月社と連携しながら、医療支援や給水・衛生活動、救援物資の配付などを続けています。
 これまでに仮設病院や診療所で計4,900件以上の診療を行い、避難所や医療施設では1,200人以上に心理社会的支援(こころのケア)も行いました。
 また、3つの給水・衛生施設の修繕を行い、25,000リットルの安全な飲料水供給するとともに、2,100世帯以上に衛生用品を配付するなど、感染症予防や生活環境の改善に取り組んでいます。(7月31日時点)。

画像 ラ・グアイラ州の仮設病院で活動するベネズエラ赤のボランティア。一次医療や応急手当、こころのケアを提供し、数千人の被災者を支援している。©VRC

復興への希望を胸に

 被災地では少しずつ復旧・復興に向けた動きが始まっていますが、多くの人びとが住居や大切な家族を失っており、その歩みは容易ではありません。
 それでもロハスさんは希望を失っていません。
 「国内外から寄せられる温かい支援に支えられ、必ず復興できると信じています。ベネズエラの人びとには困難を乗り越える力があります。」
 被災地で活動を続ける多くのボランティアや、地域での支え合い、そして世界中から寄せられる連帯。167年前に生まれた「Tutti fratelli(人は、みな兄弟である)」の精神は、今もベネズエラの被災地で受け継がれています。
 ベネズエラ赤は、ベネズエラ国内のボランティアや国際赤十字の仲間とともに、人びとが再び安心して暮らせる日を目指し活動を続けるとともに、復興への歩みに寄り添い続けています。

画像 被災者に寄り添うベネズエラ赤のボランティア。国内外の赤十字の連帯が復興への歩みを支えている。©VRC

2026年ベネズエラ地震救援金

受付期間:令和8(2026)年6月30日(火)~令和8(2026)年9月30日(水)
使途:国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)、赤十字国際委員会(ICRC)、ベネズエラ赤十字社、および日本赤十字社が行う、被災者への救援・復興支援活動および防災・減災活動などに充てられます。

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