【速報14】イスラエル・ガザ人道危機:イスラエルの人質・パレスチナ人被拘束者を移送。数百のトラックがガザ内へ入域

 赤十字国際委員会(以下、ICRC)は、日本時間の1127日までに3回にわたり、ガザに捕らわれていた人質計58人、ヨルダン川西岸で拘束されていたパレスチナ人計85人の身柄をそれぞれの当局に引き渡しました。その後家族と再会します。

 今回の解放・釈放は紛争当事者が誰をいつ解放・釈放するかなど詳細にわたり合意したことで実現しました。

 ICRCは交渉そのものには直接関与せず、すべての当事者に中立的な立場を取ることで信頼を得て、当事者間の合意をもって人道的に介入します。今後もこうしたロジスティック面でのサポートや健康状態の確認などを行っていきます。

イスラエルの人質の家族とICRC総裁が面会

 この度の解放・釈放に先立ち、ICRCのミリアナ・スポリアリッチ総裁は1114日、 ガザに捕らわれているイスラエルの人質の家族、イスラエル外務大臣、保健大臣と面談しています。

 ICRCは「人質を取る行為」は国際人道法で禁止されているとして、人質の即時解放と面会を当事者との直接的な対話の中で一貫して伝えています。また同時に、当事者に影響力を行使できる人びととも対話を続けています。

画像 イスラエルの人質の家族、イスラエル外務大臣、保健大臣とICRC総裁が面談©ICRC

 捕らわれた人質の中には子どもや高齢者、障がい者など、特に配慮が必要な人びともいます。また、人質は人道的に扱われ、医療を受けられ、家族と連絡を取れるようにしなくてはなりません。

 ICRCは引き続き、国際人道法の遵守を紛争当事者に直接訴えながら、人質に関する人道的役割を果たしていきます。

ガザ北部にも届けられる人道支援物資

 この数日間で、ガザへの人道支援のトラックは1日に200台ほど搬入することが期待されています。多くの人道機関の協力のもと準備された食料や水、医療物資や燃料などが徐々にガザ域内に搬入されています。

 パレスチナ赤新月社(以下、パレスチナ赤)は1125日に、ガザ域内に搬入された物資のうちガザ北部に61台のトラックを搬送させることができたと発表しました。食料や生活必需品、医薬品や医療資機材等が運ばれています。ガザ北部にこれほどの量の物資を輸送できたのは、武力衝突後50日間で初めてです。

 パレスチナ赤は、トラックと共にパレスチナ赤のスタッフとボランティアを北部に動員し、できるだけ多くの北部の避難民に支援を提供できるよう準備を進めています。

 しかし、北部への支援はこれだけでは不十分であり、今後も継続的に人道支援を進めていく必要があります。

画像 ガザ北部に向かうパレスチナ赤の救援物資のトラック©PRCS

 日本赤十字社は引き続き国際赤十字と連携して支援の実施とともに国際人道法の遵守を呼びかけ、人道的な配慮と基本原則の尊重を求めていきます。みなさまの温かいご支援をよろしくお願い致します。

「イスラエル・ガザ人道危機救援金」

受付期間: 2023年10月17日(火)~2024年1月31日(水)

使途  : 赤十字国際委員会(ICRC)、国際赤十字・赤新月社連盟、イスラエル・ダビデの赤盾社、パレスチナ赤新月社、日本赤十字社が行う救援・復興支援活動等に使用されます。*周辺国等に人道危機が波及した場合には、その対応を含む。

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