【速報11】イスラエル・ガザ人道危機:アルクッズ病院の発電用燃料が底を尽き医療提供は限界

 危険の中、パレスチナ赤新月社のスタッフはひとりでも多くの命を守るために全力で医療サービスや避難民への支援を届けてきましたが、さらに緊迫した報告が寄せられています。

 この1週間、地上部隊に包囲された状況が続いています。物資の搬入も人の出入りもできない状態で、病院から20メートルの距離に戦車が配置されているという報告もありました。乳幼児用のミルクが足りず、すでに子ども達は脱水症状となっています。1112日にはとうとう発電用燃料が尽き、診療停止の状況に陥りました。保育器での継続治療が必要な乳児については、現在も稼働している医療施設への安全な移送が必要ですが、実現していません。一刻も早い情勢の鎮静化、燃料など必要物資の搬入が必要です。 

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懐中電灯で手元を照らし、懸命の処置を続けるスタッフ©PRCS

(写真と同内容の動画についてはこちらセンシティブな内容ですので閲覧にはご注意ください) 

 一方で、依然大多数の人質が拘束されたままで、赤十字国際委員会(ICRC)は引き続き当事者に人質の即時解放を訴えています。子どもや高齢者、病人を含む人質の身の安全を守るよう当事者と非公開で対話を続けています。

 戦時のルールである国際人道法において、民間人や医療機関・医療従事者、人道支援に携わる者は明確に保護の対象となっています。民間人、人道団体、医療従事者や救急車は保護されなくてはいけません。また人質を取ることも禁じています。民間人は攻撃の対象ではありません(#NotATarget)。

 赤十字は国際人道法の遵守を紛争当事者へ強く要請し、人道的な配慮や処遇、および人間の尊厳の尊重を求め、発信を続けていきます。

「イスラエル・ガザ人道危機救援金」

受付期間: 2023年10月17日(火)~2024年1月31日(水)

使途  : 赤十字国際委員会(ICRC)、国際赤十字・赤新月社連盟、イスラエル・ダビデの赤盾社、パレスチナ赤新月社、日本赤十字社が行う救援・復興支援活動等に使用されます。*周辺国等に人道危機が波及した場合には、その対応を含む。

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