アフガニスタン 災害に強いコミュニティをつくる

現地時間10月7日午前11時10分(日本時間15時40分)地震発生

アフガニスタン西部ヘラート州でマグニチュード6.3の地震が発生、レンガ造りの建物は壊滅的な被害を受けました。同月11日、15日と大きな余震が続き、これまでに、56万人が被災、けが人9,240人、死者2,445人、被害を受けた家屋は4,642棟と報告されています(10月19日時点 国際赤十字・赤新月社連盟発表)。これからマイナス33度にもなる厳しい冬を迎える同地域では、何よりも人々が寒さをしのげるシェルターの提供が一刻を争います。

画像 ©IFRC

初動の一端を担った自主防災組織

地震に際して、各地からの救援チームと共に、人々の命を助ける活動にあたったのが、ヘラート州で組織された、自主防災組織です。彼らは、発災直後から、被害状況調査や怪我人への応急手当にあたり、人々に余震に備え安全な場所に避難するよう呼びかけて回りました。
この自主防災組織のメンバーは、日本赤十字社が2021年より支援を行う「気候変動対策事業」の中で組織・育成されました。世界で最も災害に脆弱な国の1つと言われるアフガニスタン。毎年何らかの緊急支援が行われるこの国で、本事業は数少ない長期的視座に立った防災能力強化と生計支援のプロジェクトです。気候変動により災害が多発し、さらに飢餓など生活への深刻な影響が広がる中、人々自らがの力で事態に対応、適応できる力を身につけることを目的に立ち上げられました。

画像 発災直後の様子。黄色いジャンパーを着て活動する自主防災組織メンバー©IFRC

自主防災組織は、アフガニスタン赤新月社が実施する(1)災害リスク調査(2)人々の幸福度を測る指標の調査(3)防災・減災の活動 に協力することを目的に、これまでにヘラート州の20の地区と、6つの学校に置かれました。各団に緊急対応セットが配備され、メンバーは、日頃から防災、早期警告、救急法などの訓練を受けたり、集まって地域の防災計画を話し合ったりなどしています。

厳しい自然と共に生きる人々のために

地震そのものを避けることは出来なくとも、被害を最小限にするための行動は起こせます。今回、この行動が、人命救助の「72時間の壁」と言われるきわめて初期に発揮されたことは、同地域にとって大きな一歩であったと言えるかもしれません。

本事業は、今回地震の甚大な被害を受けたヘラート州と、北部に位置するサマンガーン州の中で、特に自然災害に脆弱なコミュニティを対象に続けられます。再び災害が起こった時、より多くの命を救うことにつながるよう、日本赤十字社は、これからもアフガニスタンの厳しい自然環境と共に生きる人々を支援してまいります。

画像 生計支援として、現地の厳しい気候条件に適合し、市場価値のある作物の苗木22万本を配布する計画©IFRC

アフガニスタン気候変動対策事業

アフガニスタン気候変動対策事業~日赤の支援がもたらすもの~(2023年7月26日発刊)

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受付期間: 2023年10月11日(水)~2023年12月29日(金)
使途  : 国際赤十字・赤新月社連盟、赤十字国際委員会、アフガニスタン赤新月社、日本赤十字社が行う救援・復興支援活動、防災・減災活動等に活用されます。