【速報3】アフガニスタン地震:日赤は2000万円の資金援助を決定

 アフガニスタン西部ヘラート州を襲った地震から約2週間が経過しました。7日に初めてマグニチュード6.3の地震が観測されて以降、同規模の地震が11日、15日にも相次ぎ、新たに1,000棟近くの建物の損壊や数百人の負傷者、数人の犠牲者が報告されています。住民の多くは既に避難していたため、大規模な犠牲者の発生は免れたとされていますが、続く地震に、被災地の人びとは心も身体も休まらない状況が続いています。現地では揺れへの不安から、屋根のない場所で過ごす人も見られます。

 また、12日には、被災地の3地区で激しい砂嵐が発生し、震災で家を失った人びとが避難していたテントが破壊されました。国連機関の支援のもと、一時的な退避、別キャンプへの移動により対応できましたが、予測できない事態の連続に、被災地では混乱が続いています(動画:砂嵐被害に対応するアフガニスタン赤新月社)。

 アフガニスタン政府はこの震災による死者数を「1,000人以上」と下方修正しましたが、全容は未だ明らかにならないままです。被災地のアフガニスタン赤新月社による建物の被害調査やニーズアセスメントなども続けられています。

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ほとんどの建物が倒壊した被災地で対応にあたるアフガニスタン赤新月社ボランティア©IFRC/Meer Abdullah Rasikh

■アフガニスタン赤新月社は国内外のネットワークを活かした支援を展開

 アフガニスタン赤新月は、発災後すぐに各25人で構成された32の対応チームを動員し、被災地の幅広いニーズに対応してきました。具体的な活動は以下のとおりです(10月11日時点)。

食料支援
・救援に駆け付けたトルコ赤新月社の主導のもと、初期対応として、食料パッケージ2,000個を調達、順次配付。
1,600世帯に簡易的な食事 (パン 2,000 個、クリーム 500 袋、飲料水(ボトル) 600 本、ビスケット723) を提供。

保健・医療支援
13の巡回診療班、3つの仮設診療所を配置し、発災から3日間で、200人へ応急手当や重症患者の搬送などを含む医療支援を提供。
1010日にはデンマーク赤十字社の心理社会的支援要員を被災地へ派遣。また、ヘラート州の31人のスタッフとボランティア(女性18人、男性13人)にサイコロジカル・ファーストエイドの研修を実施し、順次配置。

水・衛生促進支援(WASH
・安全な水を届けるため、3つの給水タンク、60 個のカップ、10 個のケトル、3 つのソーラーパネルとバッテリー、その他の関連機器を提供。

避難所支援および生活必需品の提供
・倉庫に備蓄していた救援物資から、1,500枚のビニールシート、215張のテント、1,500枚の毛布、1,500個のキッチンセット、飲料水用容器1,500個等を配付。
・瓦礫撤去のため、5台の重機をホースト州・パクティカ州から配備。
・昨年の大地震に対応した3人の専門技術者を派遣、被害・ニーズ調査などを含めた多種のアセスメントを実施。

生計支援
・被災地のマーケットが機能していることを確認し、現金給付支援のための登録を開始。

保護活動
・両親を亡くした子どもや夫を亡くた女性のニーズに対応する為、女性スタッフやボランティアを積極的に動員。

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負傷した男性を手当する巡回診療班©ARCS

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被災者へ毛布などの物資を配付©IFRC/ Meer Abdullah Rasikh

 被災地では厳しい冬が近づき、厳冬期対策や住宅再建などの復興に向けた対応が急がれます。アフガニスタン赤新月社は、被災地ヘラート州を含む全ての州支部で、赤十字のネットワークを最大限に活かした支援を続けます。

■連盟は“アフガニスタン人道危機”緊急アピールの内容を変更
日赤は2,000万円の資金援助を決定

 国際赤十字・赤新月社連盟(連盟)はこの地震の被害を受け、既に発出されていたアフガニスタン人道危機にかかるアピールを改訂し、支援計画の内容変更を行いました。これまでは、200万人を対象に包括的な支援を行うことを計画していましたが、変更された内容には、地震の影響を受けた脆弱な立場にある5万人への救援・中長期支援が含まれます。

 日本赤十字社は、同アピールにおける地震対応をサポートするため、連盟に対し2,000万円の資金援助を決定しました。

 地震の影響を受け、より脆弱化したコミュニティや人びとへ継続的な支援を届けるため、引き続き温かなご協力をよろしくお願いいたします。

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赤十字のネットワークで被災地支援を展開©IFRC/Meer Abdullah Rasikh

「2023年アフガニスタン地震救援金」

受付期間: 20231011日(水)~20231229日(金)

使途  : 国際赤十字・赤新月社連盟、赤十字国際委員会、アフガニスタン赤新月社、日本赤十字社が行う救援・復興支援活動、防災・減災活動等に活用されます

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