©IFRC/日本赤十字社
8月26日にネパールと中国との国境付近で発生した大規模な土石流・洪水から2カ月余り。
9月7日から約1カ月間、IFRC保健医療コーディネーターとして現地で活動した大阪赤十字病院・看護係長の川瀨佐知子さんは、現地の被害状況をこう語ります。
「今回の災害の大きな特徴は、川の流れの影響を受ける地域は、洪水によってコミュニティーごと流されてしまっていること。大切な家族や全ての財産を失ってしまった方、橋の流失によって対岸の家族と引き離されてしまっている方など、避難生活を送る人々は皆、大きな喪失感と不安を抱えて生活しています」。
ネパール赤が運営する仮設診療所では、「こころのケア」にも注力。
「カウンセリングに来るなり感情が抑えきれずに涙を流す方も。子どもから大人まで、誰一人取り残さない継続的な支援の必要性を感じています」と川瀨さん。
仮設診療所では、多くの赤十字ボランティアも活動していますが、彼ら自身も被災者で、心の傷を抱えているそうです。
「ボランティアを集めて心理カウンセリングのセッションを行った際は、自分の痛みを仲間に打ち明けられる人もいれば、言葉に詰まる人も。そうしたメンバーにはスタッフが個別に対応しますが、駆け寄った私の手をギュッと握って離さず、涙する姿もありました。私はネパール語を話せないので、言葉をかけることはできませんが、ただ寄り添うことも必要な支援だと思い、落ち着きを取り戻すまでそばにいました」。
避難所においては、一人一人のプライバシーと尊厳が守られる環境の整備と、衛生面の改善が課題。慢性疾患や感染性下痢症への対応も進められています。赤十字は今後も、ニーズに応じた支援を継続していきます。
