【WORLD NEWS】 バングラデシュ南部避難民を支える赤十字の支援 危険な航路と知っても、希望を求めて海へ

バングラデシュ南部避難民を支える赤十字の支援
何が起こったの?
2017年8月、ミャンマー・ラカイン州で少数民族への激しい暴力行為が発生/70万人以上が隣国バングラデシュへ一斉に避難 避難民キャンプの人口は増え続け、現在では120万人超に(2026年6月UNHCR統計) キャンプは人口過密、将来の希望も見えない中、災害も発生/避難民が危険な海の移動を試み、昨年は約900人死亡(UNHCR発表) *UNHCR=国連難民高等弁務官事務所
MAP バングラデシュ人民共和国のチッタゴン管区にあるコックスバザール避難民キャンプ。周辺はインド、ミャンマー連邦共和国のラカイン州、ベンガル湾

現地の課題

  • 就業が制限され、子どもたちは教育も受けられない

加えて、国際的な支援が減少、4月から食糧支援も削減

  • 衛生環境が悪く、脆弱な生活環境

毎年、自然災害が発生、人道危機がさらに深刻化

  • 避難民の8割が女性と子ども

教育や保健、「こころのケア(心理社会的支援)」が急務

UNHCRのシートを掲げた木造船に大勢の避難民が乗り込んでいる夜の海上の様子

©Anadolu/Anadolu:ゲッティイメージズ提供

インドネシア・アチエ沖の海上を漂流していた難民をインドネシア海軍が保護(2021年12月)
赤十字の支援は…?
  • 避難民キャンプへの支援(保健、水・衛生、住居、生計、防災)
  • 避難民の自立を支え、地域の「守り手」を育てる
  • 自然災害のためのレジリエンスの強化

日赤の支援

  • 診療活動
  • 母子保健活動
  • 地域保健活動
  • 「こころのケア」

写真で見る
避難民キャンプの変遷

丘陵地に密集して建てられたビニールシートと木材の簡易住居群
2017年のコックスバザール。ミャンマー・ラカイン州から避難してきた人々が暮らすキャンプの様子
赤い屋根の平屋建ての診療所の建物と、背景に広がる避難民キャンプの住居群
2019年には、通称「ジャパンクリニック」と呼ばれる日赤が運営を支援する診療所が完成
レンガ敷きの通りに露店が並び、傘をさした人々が行き交う様子
6年目を迎えたキャンプの様子。大きな道は整地され、通りには露店や食堂が並ぶ

赤十字の取り組み

9年経っても先の見えぬ難民危機と、追い打ちをかける自然災害…

バングラデシュ・コックスバザールにある世界最大級の避難民キャンプ。
2017年の大規模な避難民流入から9年近くが経った今も、約120万人もの避難民が暮らしています。
しかしキャンプでの厳しい生活を背景に、マレーシアやインドネシアなどを目指して危険な海路に出る人々が後を絶ちません。避難民を乗せた船が海で転覆し、2025年は約900人が犠牲になり、今年7月には500人以上が死亡した恐れがあるとされています。

バングラデシュ赤新月社(BDRCS)は、IFRC*2や各国赤十字社、赤新月社と連携し、避難民キャンプで、給水・衛生、住居、生計支援の他、災害リスク削減のための支援を行っています。
日赤もまた、診療活動に加え、子どもたちが安心して過ごせる環境づくりや妊産婦のための健康支援、「こころのケア」、ボランティアによる保健活動など、地域に根差した取り組みのサポートを行っています。

濁流に浸水した集落の家屋と、水面に浮かぶ木製ボート

©IFRC/BDRCS

降り続く大雨により河川が氾濫し、広範囲で洪水被害が発生

長期化する避難生活に加え、人々の生活を脅かすのが、モンスーン豪雨による自然災害。
今年7月上旬にも、バングラデシュ南東部および北東部を中心に記録的な豪雨が発生し、洪水や土砂崩れによって50人以上が死亡。
26万以上の世帯が孤立し、110万人以上が被災しました。そのため、3500人以上のボランティアが救助や避難支援を行い、食料や安全な水の供給、医療サービスの提供を行っています。

日赤も、BDRCSと連携しながら、現地のニーズに応じた支援を引き続き行っていきます。

浸水した通路で、オレンジ色の装備を身に着けたボランティアが拡声器で住民を誘導している

©BDRCS

避難民キャンプで水害が発生。避難誘導や、世帯訪問を行うボランティア
赤い制服とヘルメットを着たボランティアたちがシャベルで土砂を取り除く作業を行っている

©BDRCS

土砂崩れで寸断された道路の復旧作業にあたるボランティア

*2 IFRC=国際赤十字・赤新月社連盟

海外救援金、受け付け中

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