令和8年熊本地震 被災地で動く赤十字

令和8年熊本地震 被災地で動く赤十字

2026年7月28日、熊本県で最大震度7を観測する地震が発生。各地で建物やライフラインに大きな被害が広がる中、日本赤十字社は直ちに救護活動を開始しました。

令和8年熊本地震 概要

発生令和8年7月28日 16時27分
震源地熊本県熊本地方
最大震度7を観測

被害状況

人的被害(熊本県)

死者39人
重傷26人
軽傷329人

住家被害(熊本県)

全壊1449棟
半壊1340棟
一部破損11587棟

※8月17日時点の情報

熊本市・宇城市・宇土市・氷川町・八代市の位置を示した熊本県の地図

熊本市

日赤CoT

5支部延べ12チームを派遣

  • 宮城県支部
  • 群馬県支部
  • 長崎県支部
  • 熊本県支部
  • 沖縄県支部

こころのケア調整班・こころのケア班

11支部延べ12班を派遣

  • 本社
  • 東京都支部
  • 三重県支部
  • 滋賀県支部
  • 京都府支部
  • 大阪府支部
  • 島根県支部
  • 岡山県支部
  • 広島県支部
  • 香川県支部
  • 福岡県支部

宇城市(うきし)

救護班

23支部延べ34班を派遣

  • 岩手県支部
  • 宮城県支部
  • 秋田県支部
  • 山形県支部
  • 福井県支部
  • 長野県支部
  • 愛知県支部
  • 三重県支部
  • 鳥取県支部
  • 島根県支部
  • 岡山県支部
  • 広島県支部
  • 山口県支部
  • 徳島県支部
  • 香川県支部
  • 愛媛県支部
  • 高知県支部
  • 佐賀県支部
  • 長崎県支部
  • 熊本県支部
  • 宮崎県支部
  • 鹿児島県支部
  • 沖縄県支部

日赤CoT

6支部延べ6チームを派遣

  • 福島県支部
  • 京都府支部
  • 兵庫県支部
  • 和歌山県支部
  • 広島県支部
  • 佐賀県支部

八代市(やつしろし)・氷川町(ひかわちょう)

救護班

25支部延べ36班を派遣

  • 茨城県支部
  • 栃木県支部
  • 群馬県支部
  • 埼玉県支部
  • 千葉県支部
  • 本社
  • 東京都支部
  • 神奈川県支部
  • 新潟県支部
  • 富山県支部
  • 石川県支部
  • 山梨県支部
  • 岐阜県支部
  • 静岡県支部
  • 愛知県支部
  • 京都府支部
  • 大阪府支部
  • 兵庫県支部
  • 奈良県支部
  • 和歌山県支部
  • 島根県支部
  • 福岡県支部
  • 熊本県支部
  • 大分県支部
  • 鹿児島県支部

日赤CoT

11支部延べ12チームを派遣

  • 埼玉県支部
  • 神奈川県支部
  • 新潟県支部
  • 石川県支部
  • 岐阜県支部
  • 三重県支部
  • 鳥取県支部
  • 徳島県支部
  • 高知県支部
  • 福岡県支部
  • 熊本県支部

日赤CoT(Coordinate Team:災害医療コーディネートチーム)
CoTとは:被災地の医療ニーズを把握し、行政やDMATなどの関係機関と連携しながら、救護班が必要な場所で円滑に活動するための調整業務を担うチーム。

日赤熊本県支部災害対策本部
日赤熊本県支部災害対策本部
宇城市小川防災拠点センターの救護所での診察
宇城市小川防災拠点センターにて鹿児島日赤救護班ほか、更衣室を使った救護所での診察

現場の声

土居 正明さん
日本赤十字社(本社) 救護・福祉部
救護課 課長
土居 正明 さん
地震発生の速報を耳にした瞬間、10年前の熊本地震を思い出し、同時に、長い復旧・復興の歩みを続けてこられた被災地の皆さまの姿が目に浮かんで、胸が痛みました。被害の全容が見えない中、即時に立ち上がった災害対応体制。判断に迷いがあっても、「現地の情報が入らないということは、それほど深刻な状況だからかもしれない。空振りを恐れてはいけない!」と自らに言い聞かせました。こうして全国の赤十字による支援が熊本を目指して大きく動き出しました。これからも「すべては被災者のために」を胸に支援を続けてまいります。

全国から被災地へ。必要な支援を、途切れさせない

地震発生の翌日(7月29日)、救護班4班、日赤災害医療コーディネートチーム(CoT)4チームが被災地で活動を開始しました。被災者の健康を守るため、避難所を巡回して、衛生・感染予防のアドバイスや改善提案を行い、救護所での診療や被災した医療機関の支援などにあたりました。

その後も全国各地から救護班などが次々と熊本へ。これまでに救護班は延べ70班、CoTは延べ30チームが活動(8月17日時点)。救護班は救護所での診療や巡回診療の他、災害関連死防止のための取り組みを行い、CoTは、被災地の保健・医療ニーズを把握し、関係機関との調整や、医療救護に関する専門的な助言を行いました。

多くの人が避難生活を送り、断水など暮らしへの影響が続く中、日赤は、赤十字ボランティアと共に、安眠セットやタオルケットなどの救援物資を届けたほか、断水が続く地域では、海外での災害対応のノウハウを生かした給水衛生支援も実施。避難所に洗濯機や手洗い場を設置するなど、避難生活を支える活動も。

発災直後の医療救護から、避難生活の支援や「こころのケア」へ。時間の経過とともに、被災地で必要とされる支援は変わっていきます。変化する被災地のニーズに応じ、全国から力をつなぎながら、日赤はこれからも支援を続けていきます。

調整本部が置かれる熊本労災病院の外観(八代市)
熊本労災病院(八代市)の調整本部
八代市立第二中学校での段ボールベッドの設置
八代市立第二中学校にて段ボールベッドの設置。埼玉県支部第1班(小川赤十字病院)

現地の声

氷川町在住の避難者

造道 ツタヱさんとヤエさん
氷川町在住
造道 ツタヱ さん(左)
ヤエ さん(右)
地震は階段を上ろうとしていた体が横に吹き飛ぶくらいの激しい揺れで、地震がおさまった後、家具が倒れた家の中に母と二人でいましたが、「津波が来るから逃げて!」という呼びかけで、命からがら、避難しました。
母は94歳で足が不自由なので、避難所の床に敷いた布団から自力で動くことができず、また私は腰が弱いので母を床から車いすに移動させてあげるのも大変で、避難所の生活にかなりの負担を感じていました。でも、段ボールベッドを設置していただいてからは、いろんなことが楽になりました。ベッドから車いすへの移動もしやすく、母の足のむくみも減って、夜も安心して休めています。今後に不安はありますが、皆さんに助けていただいて本当に感謝しています。

大分日赤救護班

避難者に寄り添う佐藤 悦美看護師
太田郷コミュニティセンターにて
大分赤十字病院
佐藤 悦美 看護師
地震発生から5日目。避難所を巡回中、ある避難所を離れる際に1人の女性から声をかけられ、話を聞きました。
「皆、同じ状況で同じつらい思いでいるのは分かっている。でもどうしたらよいのでしょうか?私のわがままかもしれない」と目に涙を浮かべながら思いを打ち明けてくれました。
被災者は、皆同じ境遇だからと我慢されていた。一人一人の思いにできるだけ寄り添い、話すことで少しでも気持ちが軽くなるようにと思いながら活動しました。

「令和8年熊本地震災害義援金」
受け付け中

義援金

被災地の方々へ、お悔やみや応援の気持ちを込めて贈るお金です。

※全額が被災地に送られ日赤の活動には使われません

赤十字活動へのご寄付はこちら

活動資金

いのちと健康、尊厳を守るため、赤十字の活動を支援するお金です。

から命を支える日赤の活動

海から命を支える

戦後初の船舶活用医療、その舞台裏で赤十字が果たした役割

諸江 雄太医師

日本赤十字社医療センター(東京)

諸江 雄太 医師

令和8年熊本地震で、国の「船舶活用医療」が初めて実働しました。防衛省のPFI船「はくおうⅡ」を活用し、入浴・休憩支援とともに船内で医療提供を行う新たな取り組みです。制度そのものは阪神・淡路大震災以降の議論を経て法制化されましたが、実際の災害現場で運用されたのは今回が初めてでした。

PFI船「はくおうⅡ」
民間船を有事の際に国が利用する契約を交わしたPFI船「はくおうⅡ」。船舶活用医療は、能登半島地震で浮き彫りとなった道路寸断や災害関連死への課題を背景に、実効性ある運用体制の整備が加速した

日赤は、船舶活用医療の制度設計や訓練の段階から内閣府と連携し、2025年には内閣府との協定を締結。災害時に船内で医療を提供する救護班を整備し、今回の船舶活用医療の実践を支えました。

乗船前の打ち合わせを行う日赤救護班、内閣府、自衛隊
乗船前の打ち合わせを行う日赤救護班、内閣府、自衛隊

現地では、日赤医療センター(東京)国内医療救護部長の諸江雄太医師が内閣府調査チームの一員として活動。さまざまな関係機関をつなぐ調整役を担いました。諸江医師は「被災した熊本県や八代市、地元医師会をはじめ、内閣府、防衛省自衛隊、国土交通省や、船舶運営会社、この場に集結した多くの医療チームが協働して、船舶活用医療を始めることができた」と振り返ります。

船舶活用医療は始まったばかりです。しかし、海上を舞台に、多様な組織が力を合わせて被災者を支える仕組みが実際に動き出した意義は決して小さくありません。赤十字はその仕組みの中心で、人と組織を結び、被災者に寄り添う新たな災害医療の第一歩を踏み出しました。

乗船時のメディカルチェックを担当する日赤の救護班
乗船時のメディカルチェックの様子
日赤の救護班は、一般の方が乗船する際のメディカルチェックを担当
窓から海が見える船内の大浴場
窓から海が見える船内の大浴場
入浴を終えた子どもたち
断水により満足に入浴できなかった方々が「気持ちよかった!」「日本ってやさしい国だと思った」と感謝の声を寄せた

空から命を支える

日赤の特殊奉仕団「赤十字飛行隊」、孤立した福祉施設へ緊急支援

熊本地震で孤立状態となった特別養護老人ホーム「キャッスル麦島」から、赤十字飛行隊に支援要請が寄せられました。施設では入居者約40人(80〜100歳)と職員35人を支えるための飲み水や食料が残りわずかとなり、早急な支援が求められていました。飛行隊は当初ヘリコプターによる輸送を検討しましたが、近隣の着陸が困難だったため、まず熊本にある飛行隊支隊のグラウンドチームが陸路での運搬を実施。水403リットルをはじめ、食料、介護食、紙おむつ、衛生用品などを積み込み、被災施設へ届けました。

続く2日目には、赤十字飛行隊とAOPA-JAPAN(日本オーナーパイロット協会)が連携し、関東で調達した救援物資を小型ジェット機で成田空港から熊本空港へ空輸。おむつ約300袋のほか、パックごはんやレトルト食品、除菌シートなどを現地へ届けました。

赤十字飛行隊が今回の支援で運んだ物資
赤十字飛行隊が今回の支援で運んだ物資
陸路で救援物資を運ぶグラウンドチーム

支援を受けた施設長は、「飛行隊の方が物資を届けてくださったとき、被災直後の厳しい混乱の中、“光が届いた”と感じました。利用者さまだけでなく、奮闘する職員にとっても『自分たちは孤立していない』という大きな勇気になりました。そして第二弾が届いたときの喜び。高齢者福祉施設において、紙おむつなどの衛生用品は一日たりとも欠かすことのできない最重要の命綱です。また、ご提供いただいた菓子パンは、余震への不安が続く利用者さまやスタッフのおなかを満たすだけでなく、近隣の施設の皆さまに配布し、その甘みと温かいお心遣いが張り詰めた心を和ませてくれました」と感謝の言葉を語りました。

いのちを救う 寄りそう PROJECT

9月は「いのちを救う 寄りそう PROJECT」を実施

支援は、その先も続いていく

災害時の赤十字の活動は、発災直後の医療救護だけではありません。時間の経過とともに被災した方々の状況が変わる中、必要とされる支援も形を変えながら続いていきます。

「ニュースが終わっても、赤十字の活動は終わらない。」

令和6年能登半島地震でも、さまざまな活動が続けられてきました。発災から60日、「こころのケア」調整班の一員として被災地に入った深松伸明さん(岡山赤十字病院 医師)は、「こころのケアと一口に言っても、抱えている悩みや苦しみは一人一人違います。その声に丁寧に耳を傾け、適切な支援につなぐ橋渡し役となることを心がけました」と振り返ります。

発災から約90日、救護所や避難所を巡回した大浦美穂さん(日本赤十字社医療センター 看護師長)は、医療へのアクセスが難しい状況が続く中、声をかけ、体調を確認し、必要に応じて医療や保健につなぎました。「災害のフェーズは確実に変化していましたが、被災者を孤立させない見守りと継続的な支援の重要性を強く実感しました」と語ります。

そして発災から約180日。仮設住宅を訪問した柏崎三代治さん(宝達志水町赤十字奉仕団 委員長)は、茶話会や軽体操、傾聴などを通して住民と交流。「体力に自信がなくてもできる『心に寄り添う支援』や『細くても長く続ける支援』も必要であると感じています。今後も、できる範囲で継続していきたいと思います」と話します。

発災から時間がたっても、人を支える活動は続いています。日赤では9月、「いのちを救う 寄りそう PROJECT」を実施。発災直後からその後まで、被災した方々に寄りそうさまざまな救護活動を紹介します。

「SAVE365 Magazine」特設サイト
特設サイトでは、活動された方々のメッセージが掲載されています

詳しくは
「SAVE365 Magazine」特設サイトから