【WORLD NEWS】 中東で広がる人道危機 戦闘の激化に奪われる日常。赤十字がつなぐ命。

何が起こったの?
がれきの中で続くイラン赤新月社の懸命な救助活動
がれきの中で続くイラン赤新月社の懸命な救助活動

そのとき、赤十字は…

  • 「今、助けが必要な人」に届くように。危機が深まるなかでも、避難を余儀なくされた人々や負傷者にとって「水」「医療」「心の支え」は生きていくうえで欠かせないものです。各国の赤十字・赤新月社は、最前線で、命を守る活動を続けています
不安を抱える避難中の女性に寄り添うイラン赤新月社のボランティア

赤十字の
取り組み

人々の暮らしと心の平穏を揺るがす危機に
夜を徹して救援活動を続ける各国の赤十字

2月末にイラン、イスラエル、レバノンをはじめとする中東地域で戦闘が激化してから約2カ月。
民間インフラも各地で被害を受け、深刻な人道危機が生じています。影響を受ける人と地域は拡大の一途をたどっており、各国赤十字・赤新月社は、緊急対応と対策を強化しています。

イラン赤新月社は、全国31州で529の支部から編成された2100チーム、約10万人の緊急対応要員を動員し、救急医療、救援物資の配布、捜索・救助などを各地で展開しています。同社のホットラインには心理的な苦痛を訴える相談が相次いでおり、人々の心に寄り添う心理社会的支援(こころのケア)も、不可欠な活動の一つとなっています。

イスラエルでもミサイル攻撃による死傷者が出ており、イスラエルの赤十字社であるダビデの赤盾社は24時間体制で各地からの要請に応じて救急車と救急救命士を出動させ、救急医療体制を継続しています。

要請に応じて現場に出動するイスラエル・ダビデの赤盾社
要請に応じて現場に出動するイスラエル・ダビデの赤盾社

レバノン赤十字社は、同国内最大の緊急医療サービス提供者として、救急車による搬送をはじめ、血液事業、巡回診療チームによる医療支援、避難所での支援物資の配布など、人々の命と健康を守る活動を最前線で続けています。また、わずか1カ月で100万人を超える人々が国内避難民になるなど、周辺国でも情勢悪化を受けた人口移動への警戒が強まっています。

救命活動を行うレバノン赤十字社
救命活動を行うレバノン赤十字社

国際赤十字・赤新月社連盟は、イラン赤新月社の要請を受けて、「イラン複合危機」に対する緊急救援アピールを発出
これにより、約4000万スイスフラン(約81億円)規模の支援を通じて、約500万人を対象に16カ月間の支援を計画しています。日赤も、このアピールに資金援助を行う他、海外救援金の受け付けを開始して支援を続けています

空爆の影響で避難を余儀なくされた家族が身を寄せる緊急避難所(イランの西アゼルバイジャン州)。イラン赤新月社のスタッフとボランティアが訪問し、被害にあった方々に「こころのケア」を実施している
空爆の影響で避難を余儀なくされた家族が身を寄せる緊急避難所(イランの西アゼルバイジャン州)。イラン赤新月社のスタッフとボランティアが訪問し、被害にあった方々に「こころのケア」を実施している

VOICE

国際赤十字による共同声明
紛争地で続く人道支援要員殺害への強い憤り

現在、中東各地では国際人道法が尊重されず、支援の“命綱”が危険にさらされる状況が続いています。
命を救うために活動する人道支援要員や医療要員、また病院や学校、住宅などの民間施設はいかなる場合でも攻撃から確実に保護されなければなりません。国家およびすべての紛争当事者が国際人道法を遵守し、「直ちに具体的かつ実効的な措置」を講じるべきであると強く訴えます。

ケイト・フォーブス会長

国際赤十字・赤新月社連盟

ケイト・フォーブス会長

ミリアナ・スポリアリッチ総裁

赤十字国際委員会

ミリアナ・スポリアリッチ総裁

国際人道法とは?

戦争や武力紛争のなかでも、負傷兵や民間人の命と尊厳を守るためのルールの総称。赤十字・赤新月マークはそもそも「保護の標章」として誕生し、これらを標榜する人や施設は、攻撃の対象としてはならないと定められている。

「いまも続く支援」
離れた場所からでも、命をつなぐ行動に参加できます

この状況を受け、日赤は2026年3月16日から「イラン及び周辺国人道危機救援金」の受け付けを開始しています。
お寄せいただいた救援金は、日赤、国際赤十字・赤新月社連盟、赤十字国際委員会および各国赤十字・赤新月社が、中立・公平・独立の立場を堅持しながら行う、イランおよび紛争の影響を受ける周辺国、その他の国・地域における被災者への救援・復興支援活動などに充てられます。
皆さまの温かいご支援をよろしくお願いいたします。