海外派遣の現場から マレーシア編

世界の現場で出会った人々とのふれあい、その土地でしか感じられない息づかい。赤十字の国際要員たちが見た、笑顔や驚き、そして心に残る瞬間をお届けします。

知らないから怖い。知れば、近づける

三亀 恭子さん
リポーター 三亀 恭子(みき きょうこ)さん

マレーシアのIFRC地域事務所に出向中の三亀です。海外の現地オフィスで働いていると、多くの「違い」に出会います。私のチームはアジア大洋州地域にある38の赤十字社・赤新月社を担当しています。災害支援に重点を置く社もあれば、保健医療や若者の参加を重視する社もあります。各社は、それぞれに異なる文化的背景や優先課題を持っています

ユースボランティア向けのワークショップを実施する際にも、「違い」が表れます。たとえば、東アジアでは時間を守り、説明を聞いてから実践する傾向が。一方、フィジーなどの大洋州では「その日に何を達成するか」を大切にし、質問や意見が自然に飛び交います。私は日本人だからか、時間通りに進まないと不安を覚えることも…。それでも、学びの主役はユースであることを忘れず、その場に合わせて工夫し、進行しています

先日、茨城・栃木・群馬県支部の青少年赤十字メンバーが国際交流事業の一環でクアラルンプールを訪れ、マレーシア赤新月社のユースと交流しました。現地校で文化交流やお互いの赤十字活動を発表するなど、笑顔あふれる交流でした。

現地校での交流。文化を紹介し合う青少年赤十字メンバーと赤新月社ユースボランティアたち
現地校での交流。文化を紹介し合う青少年赤十字メンバーと赤新月社ユースボランティアたち

交流に先立ち、両国メンバーにお願いしたのは「違いを体験から学び、互いを尊重して交流すること」でした。写真を撮る前の一声。距離感への配慮。セレモニーを大切にする文化への理解。ほんの少し背景を共有するだけで、相手への印象は変わります。

“知らないから怖い。知れば仲良くなれる。”
“違いを理解し、柔軟に向き合う姿勢が大切。”

ユースがそのことを自然と体験し、互いの理解が育まれている姿を見て、国際交流の意義をあらためて考えました。

オフィスでも、ささやかな文化交流。IFRCのスタッフに茶道のお茶の点て方を伝える日赤職員(右)
オフィスでも、ささやかな文化交流。IFRCのスタッフに茶道のお茶の点て方を伝える日赤職員(右)

*国際赤十字・赤新月社連盟:191の国と地域にある赤十字・赤新月社の連合体