【けんけつのいま】vol.13 自分も救う側なのだと実感した日

このコーナーでは、献血を推進するために各地で行われているさまざまな取り組みを紹介していきます。

今回は福井県

日赤は救護組織です。そのため、全ての日赤支部・病院で、医療救護班が有事に備えています。では、血液製剤の安定供給を担う日赤の血液事業はどうでしょう? 災害という非常事態発生時の対応は? 昨年、福井県赤十字血液センターの入社1年目職員、原暖華(はるか)さんは、初めて災害訓練に臨みました。災害時の血液事業職員の動きを次のように振り返ります。

「私は、血液供給要員として参加しました。災害対策本部の下で医療資源(人・モノ・情報)を管理する合同調整所から要請を受け、血液製剤を指揮所に納品し、そこでドクターの内容確認後、血液製剤を応急救護所へ搬送するという流れです。参加する前は、その訓練がどの程度の緊張感があるものか、想像できていませんでした。訓練は開始するや否や、消防、自衛隊、医療機関が秒刻みで連携して動きます。私は血液製剤を指揮所に届け、その種類を報告する場面で、セリフが飛んでしまいました。とっさに、血液の納品を受けたドクターが、私が伝えるべき言葉を代わりに言ってくれました。訓練のシナリオは、頭に入っていたはずなのに…」

赤血球製剤(ダミー)を納品する原さん(右端)
赤血球製剤(ダミー)を納品する原さん(右端)

原さんは、血液センター全体の業務を支える総務課の職員で、血液製剤の供給業務は担当したことがなく、関わった業務も限られていました。しかし災害時には、血液センターの全職員が災害医療を支えます。原さんは今回、初めて供給業務を担い、さらに、日赤職員がどのような使命を持っているか、身をもって体験しました。

「訓練会場では情報が次々に入ってきて、状況の把握・判断の難しさもある上、たくさんの人が同時に動く中で予想外のことも起きていました。訓練とはいえ、臨場感がありましたし、入社前に知識としてイメージしていた救護活動の実際が分かり、自分も命を救う組織の一員なのだ、と実感しました

応急救護所の内部。訓練は本番さながらの緊張感の中で行われた
応急救護所の内部。訓練は本番さながらの緊張感の中で行われた