何気ない行動が危険⇔安全の分かれ道⁉ 冬の健康安全お役立ち特集

入浴や食事など日常生活の中に、命をも脅かす危険がひそんでいます。今回は、冬に注意しておきたい事例を中心にピックアップ。思いがけないけがや事故を未然に防ぎ、万が一のときには的確に対処できるように、予防と応急手当の知識を押さえておきましょう。

01 
キケンと対策

ヒートショック

ヒートショックが起こりやすい行動とは⁉︎

急激な温度変化によって、血圧が急変動し、失神、心筋梗塞(しんきんこうそく)、不整脈、脳梗塞などの健康被害が起こることをヒートショックと言います。冬場に特に起こりやすいのが入浴時。暖かい部屋から寒い脱衣所や浴室へ移動し、熱い湯船に浸かる。の温度変化とともに血圧も急速に上下し、心臓や血管に大きな負担がかかります。これを防ぐためには、入浴前に脱衣所や浴室をあらかじめ暖めておくこと、湯温は41度以下に設定し、お湯に浸かる時間は10分を目安にするなど、体感の温度差を緩やかにすることが大切です。

また、寒い朝の寝起きの行動も要注意。暖かい布団の中からパッと出て寒い室内を歩く、そのまま暖房の効いていないトイレに移動する、このによってもヒートショックが起こります。いきなり布団から出ず、布団の中で少し体を動かしてから起き上がったり、寝間着の上に1枚羽織ったり、寒さを我慢しないような工夫をしましょう。

室内で倒れている方を発見したら

「119番通報」と同時に心肺蘇生を!
※AEDがなくても、人工呼吸と胸骨圧迫は有効です。

02 
キケンと対策

やけど

冬のあったか対策のつもりが思わぬダメージを招くことも

冬ならではの事例として、予期せず大けがになりかねないのが、低温やけど。使い捨てカイロを、直接、もしくは薄い生地の上から長時間、同じ場所に当て続けると、低温ながら肌の深部まで熱によるダメージが広がります。熱湯で皮膚に水膨(みずぶく)れができる、などと違って、皮膚表面には目立った外傷はなく、でも黒ずんで見える…。そうなったら、深部がダメージを受けているサイン。重症の可能性もあるので病院を受診しましょう!

皮膚が薄くてデリケートな子どもや、脂肪や筋肉が少ない高齢者は特に注意が必要です。また、湿布を貼った状態でこたつなどの暖房器具に長時間当たると、知らぬ間に皮膚がやけどのようなダメージを受ける場合もあるので気をつけましょう。

人気のフリース服。コンロの火の近くでは袖まくりを。長袖の先に少し火がつくだけで燃え広がって大惨事に!

03 
キケンと対策

転倒

正しい応急手当と経過観察でリスクを最小限に

雪やみぞれ、凍結した路面で、つるっと…。体を強く打ってしまい、骨折や捻挫(ねんざ)の疑いがあれば、まずは患部を動かさないようにし、速やかに医療機関を受診しましょう。すぐに病院に行けない状況であれば、ネクタイやスカーフなど、身近な布を大人の指3本くらいの太さにして巻き、しっかりと患部を固定して応急手当を。この固定は、痛みの軽減だけでなく、患部が動くことで生じる腫れの増大や、さらなる損傷を防ぐために必須です。

また、転倒した瞬間は痛みを感じなくても、時間がたってから痛みを感じたり、ぶつけた箇所ではない、思わぬ部位にダメージを受けている場合も(地面に腕をついて鎖骨が折れる、など)。しばらくは経過観察をしましょう。

身近なもので患部を固定する方法

雪道で滑りにくい歩き方を紹介。

〈ポイント1〉小さな歩幅で、重心移動を最小限にする。

〈ポイント2〉重心を前に置き、着地の際、靴の裏全体をつけるようにして歩く。

いわゆる“すり足”のような歩き方が有効です。また、滑りやすい場所を知っておくことも大切。人の往来が多い横断歩道や車が出入りする場所は雪が踏み固められて滑りやすくなるので、特に注意しましょう。当然ながら、家を出る際に滑りにくい靴を選ぶことも大切です。

04 
キケンと対策

窒息(ちっそく)

少し前傾姿勢で顎(あご)をひき、ゆっくり咀嚼(そしゃく)で、誤嚥(ごえん)防止

食べ物をうまく飲み込めずに喉(のど)を詰まらせる窒息のリスクは、嚥下(えんげ)の機能が低下する高齢者に限ったことではありません。どの年代においても、顎を上げて食べたり、しゃべりながら食べることで、気管に食べ物が入りやすくなり、窒息につながります。誤嚥を防ぐポイントは、顎を引いてゆっくり咀嚼をすること。少し前かがみの姿勢が理想です。

咀嚼をすればするほど、唾液の分泌が増え、食べ物が喉を通りやすくなります。芋類など、水分の少ない食べ物は特に詰まりやすいので、こまめに水分を口にしながら食べたり、あんかけなどのとろみをつける工夫も誤嚥予防に有効です。

「気道異物除去(きどういぶつじょきょ)」の方法

コラム

冬に気をつけたい生活習慣

日中、日の光を浴びながら20分ほどの散歩がおすすめ!

家にこもりがちになる冬ですが、太陽の光を浴びながら体を動かすことで夜にしっかり眠気を感じ、スムーズに入眠することができます。また、眠りが深くなり、睡眠の質向上も期待できます。毎日20分程度でいいので、明るい時間に散歩をする習慣をつけると良いでしょう。また、太陽の光を浴びることで、体内でビタミンDが生成され、骨の強化や免疫力の向上など、さまざまな健康効果も生まれるため、「日光浴」を意識して行いましょう(冬場は20分程度が目安)。なお、質の良い睡眠を望むなら、寝間着に化繊の機能性インナーを着ていると汗で蒸れやすくなるため、できるだけ綿や絹など、天然素材を選びましょう。

隠れ水分不足に注意! 喉が渇いていなくてもマメに水分補給を

暖かい部屋でじっとしていると、頭がぼーっとしたり、頭痛がしたり…。それ、実は軽い脱水症状のサインかも。冬は夏に比べて汗をかかず、喉の渇きも感じにくいことから、あまり水分を摂らずに過ごしがちですが、そのために水分不足を起こしやすい季節なのです。寒くても体は汗をかいているので、一日を通して、こまめに水分補給をすることを心がけましょう。

救急法や健康知識のポイント

日赤の各種講習の指導内容から抜粋し、クイズ形式で解説しています。
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