お餅を喉に詰まらせたら? 正しい対処法を知ろう!
毎年12月から1月にかけて、食事中に餅や団子などを気道に詰まらせてしまう「窒息事故」が増えます※。
(※東京消防庁管内でのデータより)
もし、次のような症状があったら、応急手当を行いましょう。
●のどに物が詰ったときの症状
・激しい咳が出る
・ゴロゴロ、ヒューヒューなどの音が聞こえる
・声が出ず、喉元を押さえるようなしぐさでもがき苦しむ
・顔、唇、指先の色が青黒くなる
・意識がしだいに鈍る
●応急手当
・強い咳をさせる
・背中(肩甲骨と肩甲骨の間)を強くたたく(背部叩打法)
・腹部(おへその上、みぞおちの下あたり)を強く突き上げる(腹部突き上げ法)
※腹部突き上げ法を行った場合は、異物が除去できた場合でも内臓を傷つけている場合もあるため、必ず医師の診察を受ける
・反応がなくなった場合は(窒息により普段どおりの呼吸もないので)ただちに心肺蘇生を開始する
なお、妊婦(明らかに腹部が大きい場合)や高度な肥満者、乳児には腹部突き上げ法を行いません。
また、声が出ない、十分に強い咳ができない、顔が青黒くなる、反応がない、といった場合はただちに119番通報します!
★手当ての詳細は動画で!
手当てのNG例
●掃除機で吸う
人間の肺の中は「肺胞」という小さな(直径0.2mmほど)袋がびっしりと詰まっています。吸引力の高い掃除機を使用すると、数秒で肺胞がつぶれるなど、肺にダメージを与えることがあります。また、口腔内を傷つけてしまったり、雑菌が入ったりする危険性もあります。
●白湯を飲ませる
鼻・口から肺までの空気の通り道である気道は、鼻腔・咽頭・喉頭の声帯(声門)までを「上気道」と呼び、声帯から下の肺につながる部分を「下気道」と呼びます。異物が気道をふさいで呼吸できない場合、ほとんどの場合、異物は上気道にあります。正常な状態であれば、液体を飲めば体の自然な反射として声門の上にある蓋が閉じて下気道への侵入を防ぎますが、そもそも異物がつまって窒息が起きている場合には、口に入ってきた液体は喉をとおらず窒息の状況をひどくしてしまうことが懸念され、上気道を通過した場合でも肺のほうに入ってしまう危険(誤嚥)があります。また、詰まってしまった食べ物と気道の間にわずかにできた隙間を液体が埋めてしまうことも考えられます。窒息が起きているときは液体を飲ませず、可能であればまずは咳をさせて、それが難しければ、背部叩打法等を用いてのどに詰まった食べ物を吐き出させると良いです。
【予防は?】
・口に入る食品の大きさ、硬さに気をつける
・ゆっくりとよく噛み、食べ物を口に入れたまましゃべらない
・食べる前に水を飲むなどして喉を潤す、汁物と一緒に食べる
・飲み込みやすい姿勢(少し前かがみの姿勢)で食べる
赤十字NEWSバックナンバー(2020年1月号)
【健康豆知識】
「食べ物が誤って気管に…つらい誤嚥、どうしたら防げる?」
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