【けんけつのいま】vol.8 「救いたい」心に火をつけた万博コラボ

このコーナーでは、献血を推進するために各地で行われているさまざまな取り組みを紹介していきます。

身近な赤十字活動の一つである“献血”へ参加いただくことを目的に、赤十字パビリオンとコラボレーションした献血キャンペーンが、近畿2府4県(滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県)にある全ての献血ルームにて実施されました。
赤十字パビリオンに来場して献血の事前予約をし、実際に献血にご協力いただいた方への記念品(ミャクミャクと、けんけつちゃんが描かれた扇子)を5000本用意していましたが、キャンペーン終了1カ月前には配布が終了、企画担当者らの予想をはるかに超える成功を収めました。近畿ブロック血液センターの濵田雅俊さんは次のように振り返ります。

「1つの献血イベントで1カ月に1000人を集めるのは至難の業です。さらに、本キャンペーンは、赤十字パビリオンの専用端末(NFCタグ)から予約する必要があり、普段献血協力をいただいていない来場者にも献血へ興味を持っていただけるか不安もありました。しかし、日を追うごとに献血ルームでは『赤十字パビリオン良かったよ』、『赤十字パビリオンで感動して数十年ぶりに献血に来た』という声や、初めて献血協力してくださる方が増えていきました」

濵田さんは、この万博によって「赤十字運動」の協力者が増えることを期待していたが、こんなにも好循環が生まれるとは、と驚嘆します。

「私は、東日本大震災の発災時に救護班として被災地に赴いた経験から、赤十字運動を多くの人に広めたいと思っていました。本キャンペーンを通して、『赤十字パビリオンへ来場された方が、誰かを“救いたい”という気持ちになり、献血へ協力する』という赤十字運動を目の当たりにし、胸が熱くなりました。これからも、多くの方へ赤十字運動を広めていきたいです」

「万博DE献血」閉幕1週間前に万博会場内の献血が実現し、10月6・7日で431人が協力。献血に加え、救急法も体験できる赤十字啓発ブースも出展。2日間で約4500人が来場した
*赤十字運動:紛争・災害などで苦しむ人を救う赤十字の活動に賛同・参加し、協力の輪を広めること