
「献血の血液が患者さんに届くまでには、さまざまな業務があり、見えないところに多くの人が携わっています。今日は皆さんに、人の命に関わる重要なお仕事を体験してもらいますね」。香川県赤十字血液センターの漆原慎司さんが中学生13人にそう語りかけると、生徒たちは真剣な眼差しで漆原さんの説明に耳を傾けました。同血液センターでは、県内の中学生を対象とした職場体験学習を毎年実施しています。
生徒たちは、まず献血会場での呼びかけや献血者の案内から業務スタート。次に献血する様子を見学し、採血する看護師が行う手指消毒を体験。さらに供給部門では、血液型の特徴や血液製剤がどのように治療に役立つかを学んでから、血液製剤の保管の見学、専用輸送容器への梱包、職員と一緒に運搬車に乗って高松赤十字病院へ納品……なんと病院では届いた血液製剤のチェックや発注業務も体験しました。


盛り沢山の内容に、参加者からは「血液の注文システムを操作できたのは印象深かった」「血液センターから病院に血液を届けたことに感動した」などの声が。
体験前は、家族が頻繁に献血をする理由を知りたくて参加した生徒もいれば、献血のことを全く知らず友達についてきた生徒もいて、知識もモチベーションもバラバラ。しかし体験後は血液センターの業務に詳しくなるだけでなく、携わる職員の思いや責任の大きさも理解し、献血への意識を大きく変えるきっかけとなったようです。
