「大谷翔平選手の体に流れる血液の量は、君たちの何人分だと思う?」北海道赤十字血液センターの職員・野中慎也さんが小学生の子たちにそう問いかけると、皆が興味津々で、思い思いに予想の数を口にします。「答えは、およそ3人分*!」正解を発表すると子どもたちから、わぁっと歓声が。自分の体にどれくらいの血液が流れているか考えたこともなかったのでしょう、赤い液体を入れた2Lのペットボトルを使って「これが小学校低学年の子の体に流れている血液の量だよ」と示すと、真剣な眼差しを向けてきます。

北海道では、春・夏・冬休みにサイエンスショー形式の献血セミナーを札幌市青少年科学館で実施。同館は、昨年4月のリニューアルオープンで血液や献血を学ぶ常設展示を刷新、それに伴って献血セミナーも定期開催されることになりました。
野中さんは「この科学館は趣向を凝らしたサイエンスショーを多数開催していて、発表者同士の掛け合いや巧みな話術に刺激を受け、自分たちもエンタメ性を意識するようになりました。子どもたちの反応を見て献血に関心を持ってもらえたと実感する機会も多いです。
例えば、ショーの最後に血液製剤バッグのサンプルを見せて、触りたい人は自由に触っていいよ、と言ったら、子どもたちがどっと詰めかけて競うように触るので、血液バッグにこんなにも関心があるなんてとびっくり。その反応がうれしくて企画するのも楽しいです」と話します。
講師の伝え方も回を重ねるごとにブラッシュアップし、同センターが小中学校で実施している献血セミナーにもその経験が生かされるなど、啓発活動の進化につながる手応えを感じているそうです。
