【けんけつのいま】vol.3 離島献血で育まれる、温かいつながり
このコーナーでは、献血を推進するために各地で行われているさまざまな取り組みを紹介していきます。
大海原を波に揺られて5時間。港を出た船は、献血バス1台、段ボール40個分の採血バッグ、搬送容器75個以上、その他にも大量の資材を積み、九州と韓国の間に浮かぶ島「対馬」に到着します。
長崎県にある72の有人離島のうち、長崎県赤十字血液センターでは5つの島で献血を実施。対馬には年に2回訪れ、毎回、想定の人数を大きく上回る献血協力があります。
「島では献血の機会がないですから、貢献したいだけでなく、イベントのように楽しみにしている方もおられるようです」と話すのは、看護師の原田優希さん。「下船して献血バスで会場地に向かうと、すでに待っている方々がいます。車内で準備をして外に出ると、たくさんの献血協力者がバスの周りに集まっていて、びっくり。こういうとき、看護師として不思議な気持ちが湧いてくるんです。
集まっているのは病気の患者ではない。健康な人々が、大切な時間を使って、血液を提供しに来てくれたのだ。
対馬に到着した献血バスは、フェリーを下船し、献血会場に直行する
一方で、さまざまな調整や準備に苦慮するそう。
「対馬への派遣は、1回が前半後半に分けられ、それぞれ4日間ずつ、間に移動や休みを挟んで10日間ほどの長旅になります。普段の献血ルームなどの業務では長時間勤務になる場合もある、そこを調整して島に来たら、今度は限られた設備で血液を温度管理し、天候不良などのアクシデントにも対処。緊張の連続です」。
離島献血の人員や資材の準備が大変でも、看護師たちは一様に大切にしている思いがあります。
「長年、離島献血に携わった職員が島民から
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