【WORLD NEWS】ミャンマー地震:被害の状況と赤十字の支援

2025年3月28日現地時間午後0時50分頃、ミャンマー中部のザガイン地方を震源とするマグニチュード7.7の地震が発生しました。ミャンマー第2の都市と言われるマンダレーでは建物や橋の倒壊が報告され、多くの死傷者が発生するなど、甚大な被害が広がっています。
今回は、その被害の状況と、ミャンマー赤十字社(以下、ミャンマー赤)の発災直後からの救援活動や国際赤十字・赤新月社連盟による援助、日赤からの支援について報告します。


ミャンマーってどんなところ?
東南アジアのインドシナ半島西部に位置し、面積は日本の約1.8倍、人口は推定5131万人(2025年1月現在)。少数民族も含めて135もの民族が暮らす多民族国家。今回の震源地であるサガインは、南北に長さ約1500kmにわたって延びる、世界でも有数の活断層・サガイン断層に位置し、今回の地震も、その断層の一部が200kmほどずれ動いたことが原因とされる。
建物の倒壊、インフラ被害…人道状況が悪化する被災地
3月28日にミャンマー中部を襲った地震により、ミャンマー国内では約3000人が犠牲となり、負傷者も4500人にのぼる他、351人がいまだ行方不明の状況です。また、隣国にも強い揺れが生じ、タイでも20人が犠牲となりました(数字は4月7日現在)。
ミャンマー・マンダレーの対岸の都市サガインでも、建造物の70%以上が損壊し、同国の主要都市であるヤンゴン・ネピドー間の高速道路を結ぶ2つの橋も損傷したことで、アクセスは遮断。インフラにも甚大な被害があり、現地では、被災者の避難場所と安全な水の確保が喫緊の課題となりました。また、日中の気温が40℃にも達する中、衛生環境の悪化や感染症の流行なども懸念され、巡回診療による保健医療サービスの早急な提供が求められました。

ミャンマー赤は、発災直後から緊急対策本部を設置し、本社の救援チームを派遣、被災地支部の赤十字ボランティアも動員して捜索・救助活動や、負傷者の応急手当および病院搬送、被害状況の調査を開始しました。
さらに、被災地外からもサガイン、マンダレー、ネピドーといった被害が大きい地域に向けて巡回診療チームや浄水ユニット、訓練を受けた赤十字のボランティアやスタッフが追加で派遣されるなど、総力を上げた活動が続けられています。

4月4日には、マグウェイからの派遣チームとボランティアが、サガインにある総合病院での
サガインで支援活動を続ける赤十字ボランティアのニラーさんは「私も被災者の一人ですが、自分を奮い立たせて救援活動を行っています。被災してもくじけない人々と出会い、自分も活動を続ける力をもらっています」と語っています。
また、マンダレーで活動中の巡回診療チームは、一日で130人を治療したほか、ボランティアは『こころのケア』も実施しています。加えて、SNSへの投稿で余震に関する注意喚起や、応急手当のポイントなども発信しています。

国際赤十字・赤新月社連盟に加え、日赤からも。次々に支援の輪が拡大
国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)および赤十字国際委員会(ICRC)も、発災直後からミャンマー赤、タイ赤十字社、中国紅十字会など各社の支援調整を実施。IFRCはミャンマー赤の活動を支援するため、災害救援緊急基金から約3億4000万円の援助を行い、3月28日には緊急救援アピールを発出しました。
これに基づき、国際赤十字は、水・衛生・シェルターなどの緊急支援を行うとともにミャンマー赤を中心に長期の復興計画を策定。日赤も、国際赤十字や各国赤十字社と連携して支援に動き出し、4月1日、日赤本社から現地に派遣された国際部の片岡昌子さんは、
また、ミャンマー赤のボランティアやスタッフには、自身も被災者でありながら救援活動を続けている人も多く、IFRCは彼らへの『こころのケア』の仕組みを整えようとしています」と、状況を報告。今後、保健医療支援を行う日赤職員の派遣も含めて、調整を行っています。

また、日赤では4月1日より、「2025年ミャンマー地震救援金」の募集を開始しました。刻一刻と変化する現地のニーズに対して、適切な支援を届けることができるよう、温かいご支援をよろしくお願いいたします。
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