国内災害救護まるわかり辞典【一人でも多くの命を救うためのトリアージ】 そのとき、日赤はどう動く!?

日赤の救護活動についてさまざまな角度から紹介するこのコーナー。
今回は【一人でも多くの命を救うためのトリアージ】です。

トリアージタグ。優先順位を示す4色のタグを、傷病者の状態に基づき切り離して使用する

災害時における傷病者の治療は、緊急の対応を要するものから簡単な処置で済むものまでさまざまですが、医師や看護師、医療資器材などを始めとする限られた医療資源を効果的に活用するためには、治療の優先順位を決めて対応する必要があります。

その優先順位を区分し、分かりやすく示す方法として取り入れられているのが「トリアージ(Triage)」です。トリアージは、「選別(優先割当)」を意味し、傷病者の状態が書き込まれた「トリアージタグ」を用いて、限られた医療資源の割当てを行うため、全ての医療機関に共通した記入項目となっています。

トリアージ区分は、軽症又は治療が不要な状態「区分Ⅲ(緑色)」、治療を要するが時間的な猶予がある状態「区分Ⅱ(黄色)」、重症で治療の優先順位が最も高い状態「区分Ⅰ(赤色)」、死亡や、蘇生の可能性が低く治療対象外の状態「区分0(黒色)」の4つの色に分けられます。

トリアージは、被災地で一人でも多くの命を救うための重要な対応であるため、日赤救護班は迅速に行えるよう日々の訓練を重ねています。